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ぽーにょぽーにょぽにょ見てきたよー「崖の上のポニョ」

2008.08.03 Movie

ぽーにょぽーにょぽにょ見てきたよー「崖の上のポニョ」

最初は興味がそんなになかったんだけど一念発起、観てきました。「崖の上のポニョ」。ネット上では「絵はすごいけど内容意味ワカンネ」といった意見が多く見られたので余計に観たくなりましたよ。

結論から言うとすごい面白かった。ここまで満足して映画館を出ることもなかなかないんじゃないかというくらい満足。もちろんいつか金曜ロードショーでやると思うけどこの映画は絶対に映画館で観たほうがいい。見ててスカッとする一方、少しもやもやを残すのもまたうまいなー。以下極力ネタバレしないように「ポニョのすごさ」を。

まず、この映画は「こども向け」である。それを一番感じるのが最後のスタッフロール。スタッフロールなんてもんはおとなでも退屈しちゃうものだけどポニョのは絵がたくさん使われていて楽しい。さらにスタッフロールが流れる時間もすごい短くしてある。こどもが楽しい、退屈しない仕掛けがたくさん入った今回のポニョ。作品全体のウェイトも、絵の動きに重きを置いている。こどもは動くもの大好きだしね。ストーリーもこどもが理解できる単純さ。要はお魚が男の子を好きになっちゃう話だもん。つまりは「とにかく観てて楽しい!!」

しかしまあ絵の動きがとんでもない。「崖の上のポニョ」というタイトルで、なおかつ子ども向けだからきっとのんべんだらりんとした映画なのだろう…と思ったら大違い。とにかく絵が動く動く。誇張が激しい(もちろんいい意味!!)。海のダイナミックな動き、たくさん出てくる生き物たち、ポニョのいもうと達が一斉に動くシーンや波の怪物が襲ってくるシーンなどの「群衆アニメ」のクオリティの高さ。舞台が海だけにぐにょぐにょとした動きが今回は特に多い。タタリ神といいカオナシといいハウルの三輪さんの下部といい毎回毎回うまいぐにょぐにょ感。生理的な気持ち悪さと、動きの気持ちよさが混ざったアニメは今回も見所。こういうのは小さい子は楽しくてしょうがないだろうなー。

ポニョの雲。

動きもいつもと違うがさらに絵のタッチも違う。雲の描き方を見るとすぐにわかる。宮﨑アニメの特徴的なリアルな雲。昔美術の先生に「雲を描くときには宮﨑アニメの雲を描け」と言われたくらい。ところが今回のポニョは形もかんたんで素朴な雰囲気。原っぱが色鉛筆で描かれていたり、全体の色数も少ない。繊細というより優しい印象を受ける。その分動きの気性の荒さが目立つわけで。

で、宮﨑アニメといえばストーリーのよさを挙げる人が多いと思うけど、今回大筋は人魚姫のお話の通り。お魚が人に恋をしてしまったどうしよう!! ということなんだけど普通の人魚の昔話と違うのは、実はポニョは普通のお魚じゃなくてとんでもない力をもったお魚。しかも小さなこども(5歳)だからもう男の子のことが好きになったら見境がなくなっちゃって、もう「アカン下手したら地球ヤバい!!」ってなことになってしまう。その一方で登場人物はみんなあんまり驚いてない。この映画の面白いところは激しさとのんびりが渾然一体となっているところだと思う。文字で表現するのは難しいけど、要するに絵本とか昔話とかそういう類いのものに近いんじゃないか。「玉手箱あけたらいきなりおじいちゃんになっちゃったんだけど意外と誰も驚かない」的な。ただポニョのうまいところは、いたる所に「大人が気づく小さなメッセージ」が隠れているところだと思う。これ以上は内容に触っちゃうから言えないけど、この含みがまた面白いことになってます。こどもよりもむしろ大人のほうが「あれはこういう意味だったんじゃないか?」っていろいろ言いあえて楽しいだろうね。

このブログではどんなエントリーでも結論らしきものをまとめるようにしてるんだけど、ポニョに関してはそれが難しい。おかあさんとこどもの話?責任を貫くことの美しさ?どれをとってもなんかちょっと違う。何でもかんでも分析すればいいってもんじゃないんだ。もう全部ひっくるめて「楽しかった!!」っていうのが最高の感想なんだろうね。

宮﨑アニメのなかでも比較的「トトロ」に近いベクトルを持った作品だと思うけど私はトトロより好き…かも。怪作にして快作。いやこれ、改めて言いますが本当にとんでもない映画だから絶対観ておいたほうがいいです。できれば映画館で。こどもの気持ちで楽しむ101分。

ロボットが少年の心を取り戻すまで。「Roboboy」

2008.07.25 Movie

ロボットが少年の心を取り戻すまで。「Roboboy」

まず先に言っておく。私、ロボットのこと、好きだ(時かけ風告白)。昨日はいろいろを書きましたが、やっぱり好き。男の子だから。で、ドラマでも映画でも何でも、私が絶対に泣くシチュエーションていうのがあって。「ロボットが悲しい目に遭う話」は基本、泣く。以前も日曜の朝にフジで新しい鉄腕アトムを放送していた時期があって、それを観ては毎週泣いてた。映画のA.I.でも止めどなく泣いた。傾向からいってどうも少年×ロボットという組み合わせが最強らしい。

ということでちょっと時期が遅れましたがどうしても紹介したかった、イギリスの洗剤の会社PersilのCM。できれば高画質版で見てほしいところ。

家の奥に長いことしまわれていたロボット。そこに家の中に入ってきた犬がぶるぶると泥汚れを飛ばす。ロボットに泥がかかる。その瞬間何かを思い出したかのように、一歩、また一歩と外へ向かって歩き出すロボット。家の外に広がる芝生に足を踏み入れたとき、足に伝わる刺さるような、くすぐったいような感覚に驚く。歩き続けるロボット。ふかふかの枯れ葉のつもった地面の感触。よく見ると足が人間の足に変わっている。すると今度はあるものを見つける。ミミズだ。手に取ってみる。やわらかくて不思議な生き物の感触。まるで初めて見たものかのように眺めていると今度は手が人間の手に。突然の雨。いつの間にか水たまりが。それを見たロボットは水たまりに飛び込む!駆け回り飛び跳ね、自分が汚れるのもかまわず一心不乱に泥水をまき散らす!気がつくとロボットは少年の姿に。自分の体を確認しながら、降りしきる雨の味を感じる。子どもらしさを取り戻した少年は庭を笑いながら走り回る。

CMの最後に表示されるのは「Dirt Is Good」。子どもは子どもらしく、外で思う存分遊ばせてあげるべき、親も衣類の汚れを咎めずに子どもを外へ遊びにいかせよう、というメッセージ。しかし何よりもロボットの演技がすごい。感情の変化を動きや表情が細かい表現している。だんだんとロボットも人間らしさが増していき、最後の雨のシーンで頂点に達する。人の「抑圧された気持ちが爆発する」シーンていうのはいつ見てもグッとくる。なんでかはわからない。もしかしたら「抑えきれないぐらいの本当の気持ち」が心の琴線に触れるのかも。いや、人が感動しているところを見ると自分も感動するんだよね。特にそれが子どもの場合は全てが新鮮で、新しい体験だからなおさらなんだ。

制作はBikini Films × Mill。技術もストーリも最高です。

via. white-screen

【5月から】最近面白かったビデオまとめ【6月頭まで】

2008.06.04 Movie

最近は気になったものは即Twitterに書き込むことが多いです。ということでちょっと気になった映像まとめ。

・Orange TV: Rewind City

ああ人生巻き戻せたなら。舞台はインドの雑踏のなか。一人の女性が悲しそうな顔をしている。それを見た車に乗るインド人男性は何を思ったか道路中でバックをし始めた!! すると周りの人たちも逆向きに歩き始め…?よく時間を巻き戻すネタとかはCGを使って作ることが多いですが、これは全部人力。一生懸命に逆回転しようとする人たちの、不器用ながらもがんばるところがかわいいです。ペンキ屋さんや床屋さんの奮闘ぶりが笑いを誘います。
(via. ニテンイチリュウ)


・Nike: Take It To the NEXT LEVEL

ちょっと前のネタですがナイキフットボールのCM。一人のサッカー選手が栄光をつかみ取るまで。完全一人称視点なのはやっぱりCLOVERFILDの影響?一つの視点から見えるものでドラマを紡ぎだす妙。


・Play with Reactivity. Scopri la tua abilità nel design tattico

一種の「ドキュメンタリークイズ」。道ばたで座り込んでるだーれも見向きもしないおっさん。に対して仕掛人があるものを手渡す。すると…なんとみるみる人が集まってくるではないか!!(世界まる見え調)お金を恵んでもらえたり写真撮影をせがまれたりとなんだか一躍人気者に。どーしようもないおっさにんに手渡したものとは?最後に種明かしが。人の心を掴む技は(気がつけば)意外と簡単なのかも。


・Honda: Drop

HONDAのCM。昨日からスカイダイビング映像が話題になってますが、こちらはエンジンの中。青く燃える炎が美しい。炎と木琴の音という組み合わせがやや人間の原始的な部分を呼び起こすような。効率の良いエンジンが、自然を守る。


・Action Figure Slow Motion Punches

えぐるように打つべし。左から飛んできたパンチが顔面を揺らす。人間の顔はここまで揺れるのか!!とちょっとビビる映像。やっぱりスローモーションは面白い。高画質版はここで。


・JL DESIGN: HiHD Station

YouTube版よりもこっちのハイクオリティ版をぜひ。色の具合やオブジェクトと人物の重なりが美しい。…んだけどこんな感じどっかで見覚えが
…やっぱりUVA vs. The Chemical Brothersですかね?

MacのスクリーンがそのままPVに。「Apple Mac Music Video」

2008.05.13 Movie

ごはんとFlashを挟んだためにすぐにブログに書けませんでしたが、Appleファンとしては書かないわけにはいくまい、ということで遅れていることを承知でご紹介。そのぶんヴォリューム増し増しで。

the Bird & the Beeの「Again & Again」という曲のPV、というかオフィシャルではないようなのでいわばMAD動画。この動画の面白いところはズバリ全編Macのスクリーンショットでできているところ。つまりMacを操作している画面を撮影(キャプチャ)して、それを編集して作成された映像だということ。似たようなコンセプトで以前こんな映像もありましたが、時は変わって2008年。MacOS Xの標準機能を含め様々なアプリケーションが使われています。

最初はまず曲を再生するためにiTunesからスタート。次にMac付属のカメラと連動したPhoto Boothの画面上で素敵な女性が歌います。次には皆さん仕事で(うんざりするほど?)使ってるMicrosoft Word。歌詞がタイポされたと思ったらPhotoshop、iPhotoの連続写真でパラパラマンガ風の演出。さらにはFinderの基本操作まで使われ始め…。めくるめくアプリケーションのオンパレード。YouTubeの説明によれば40種類近くの機能・アプリケーションが使われています。後半はTimeMachineから映像編集ソフトまでが入り交じり、YouTube上の映像で完結…と思いきや、再びiTunesを起動。iTunes Storeに移動してなんと今までかかっていた曲を購入!! お見事。dankogaiさんのおっしゃる通りニコニコ動画におけるニコニコ市場の代わりのようなものかもしれません。でもここまでされるとつい買っちゃいますね。もちろんiTunes Storeで「again & again」で検索するとすぐに見つかります。ちなみに私は英語わかんないので気がつかなかったですがちょっと過激な歌詞だったみたいですね…お子様はお気をつけて!!

このクオリティ+バイラル効果+購入までの導線までの仕掛けはただもんじゃないと思うんですが…本当に素人さんなのかしら…と思ってup主を見たらやっぱりバイラル映像制作の人っぽい。うーんやっぱりか。

他にも本当の素人さんが作った映像が本当にAppleのCMに採用された例としてはiPod touchの自作CMがありましたが、今回はAppleに採用されることはあるのか!? それも注目ですね。

以前紹介したJusticeのDVNOといい最近は歌詞をPV中で表現することがちょっとしたトレンドになってるのかも。と、いうことは新しい歌詞の表現を見つければイマドキっぽいPVが作れるってことか。ちなみに当ブログでこのまえ特集した今監督の東京ゴッドファーザーズのスタッフクレジットは町中の看板にまぎれているなかなか凝った作り。この動画の後半部分で見れます。リアルでやったら面白いね。

[五月病対策] 今更今敏まとめ [PBからパプリカまで]

2008.05.06 Movie

いや、こういうのは連休前に書いておくべきだよね。

「パプリカ」 NEWSWEEK日本語版映画ベスト100に選出、ということで私の大好きな今敏監督作品総まとめ。日本でアニメの監督というとやはりジブリの宮崎駿監督ですが、ココ数年私がずーっとプッシュしているのが今敏監督。最近ではオトナでも楽しめるアニメ、なんてよく聞く言葉ですが本当の意味でオトナでも楽しめるのは今敏作品くらいなんじゃないかと。ロボットやら美少女やらだと家族や彼氏・彼女と観るのはちょっとどうかっていう話だしね。彼が作る作品は常にエンターテイメントの方向を向いている。連休は終わりですが、ぐったりしちゃう5月のカンフル剤として観ると元気になる(?)作品群を年代別でご紹介。適当に初心者おすすめ度もつけたよ。

パーフェクトブルー (1998)
初心者おすすめ度:☆☆ 恐怖度:☆☆☆☆☆

主人公は3人組女性アイドルグループの一員。コンサートには沢山のファンが駆けつけるほどの人気ぶりだったが、本人の意思とは裏腹に事務所の方針で主人公だけがアイドルグループを卒業し女優の道へ。これも仕方なし、と新しい仕事をがんばる主人公。しかし急な方向転換が一部のファンを怒らせたのか、主人公の周りにストーカーがあらわれはじめる。一方で仕事の内容も徐々に過激なものになり、ドラマで暴力シーンを演じたりヘアヌード写真を出したり…時を同じくしてストーカー被害もエスカレート。ネット上で自身のプライベートな行動が詳細に明かされるようになる。そして自分の仕事と現実の区別がつかなくなっていく主人公。これは本当の自分なのか?全ては自分の想像なのか?夢?演技?現実?それとも…?

ちょうど10年前の今敏初監督作品。先に言っておきますが上記のような描写があるため15歳未満は観ちゃダメ。てか普通に怖いです。現実と想像の境目が曖昧になっていくのは今敏作品のメインテーマになっています。軸は「誰がこんなことを?」というサスペンスですが「まさか…自分?」という視点が入ってくることで錯綜した世界が描かれる。なにが本当かは真相が判明する最後まで気が抜けない!! マジで怖いので初めての方にはおすすめできないかも。他の作品を1、2本観たあとでどうぞ。


千年女優 (2001)
初心者おすすめ度:☆☆☆☆☆ 女性おすすめ度:☆☆☆☆☆

ある年老いた名女優。彼女にそれまでの生い立ちと演じた作品について取材を申し込んだ制作会社のスタッフ2名。彼らに自分の若き日の初恋、そして女優業に打ち込む日々を話しているうちに、彼女個人の話と、役の内容がごっちゃになり始めて…?初恋の彼との運命は?そして彼女の女優として生きてきた道とは?

簡単にいうとこれだけの話なんだけど、これが面白い。序盤、彼女の元を去った初恋の彼を追いかけて雪道を走りようやく駅までたどり着いたが電車が出てしまい、あぁ…!! と思ったところで「カット!!」 ってえぇ芝居の話だったんかい!! というおばあちゃん特有の思い出ごっちゃになってるよ、という構成がうまい。女優だからいろんな映画も出てくるんだけど、全てのヒロインが共通して思いを遂げようとする「あの人」を追いかけているのと、彼女本人にとっての初恋の「あの人」がオーバーラップするわけ。女性はいつも憧れの人を追いかけ続けている、というテーマを美しい映像で綴る。途中聞き役の男性二人もおばあちゃんの思い出の中の役として登場することでコミカルな演出もされていて、これも面白い。絶妙なバランスですよ。今敏らしい作品なのでぜひ最初の一本にどうぞ。

ちなみに千年女優はあの千と千尋の神隠しと並んで第5回文化庁メディア芸術祭アニメ部門グランプリを取ってます。あっちはあんなにはやし立てられるのにねえ…。


東京ゴッドファーザーズ (2003)
初心者おすすめ度:☆☆☆☆☆ 笑える度:☆☆☆☆☆

舞台は東京・クリスマス。家出少女、元競輪選手、元ドラッグクイーン(つまりオカマさん)というデコボコホームレス3人組がゴミ置き場で捨て子の赤ちゃんを拾う。赤ん坊を本当の母親の元へ帰すために奔走するのだが…?

見事なまでのドタバタコメディにして3人の明日を探すロードムービー。3人のキャラクターが見事に立っていて、なおかつ幸か不幸か次々と事件に巻き込まれていく&見事に解決していくのが笑える。監督もいう通り、徹底的に都合良く奇跡が起こりまくるのだが、ここまで都合がいいと逆に爽快。奇跡が奇跡を呼び、赤ん坊の母親へ繋がる糸を紡いでいく。今作品の中では最高にライトで笑える、誰でも観て楽しい作品。


妄想代理人 (2004)
初心者おすすめ度:☆☆☆ 恐怖度:☆☆☆☆☆

ある女性キャラクターデザイナー。「マロミ」というゆるキャラをデザインし見事大成功をおさめるが、事務所から次回作を求められ焦る彼女。遂にはその重圧に耐えられなくなり、バットで殴られたと自身で通り魔事件を狂言ででっちあげてしまう。最初は警察も通り魔「少年バット」を捜すがもちろん見つからない。警察が彼女の狂言を疑い始めたそのとき、第二の被害者があらわれる。「少年バット」の正体とは…?

この作品だけテレビシリーズ。主人公は固定ではなく、各話ごとに主人公が変わるオムニバスであるところが面白い。最初は狂言でしかなかった「少年バット」。しかし現実にその被害者が続出する。人は誰もが悩みを抱えている、その悩みを解き放つために少年バットは存在するのか?それとも単なる「妄想」か?笑ゥせぇるすまん的な印象の前半から一転、世界がだんだん飛び抜けていく後半はまさに凶器の展開。いろんな意味で怖いですよ…でもやっぱり続きが気になる!! 全13話。


パプリカ (2006)
初心者おすすめ度:☆☆☆☆ 

精神外科医・千葉敦子。しかし裏では世紀の発明「夢を共有する機械」を使い悪夢に悩む人々を救うヒーロー・パプリカでもある。ある日彼女が所属する研究所で「夢を共有する機械」が盗まれてしまう。それを悪用した何者かによって周囲の人々の夢は悪夢で狂わされてしまう。機械を盗んだ犯人は?そしてその目的は…?

筒井康隆の同名SF小説のアニメ映画化。テーマは「夢」。もう夢の中だったら何でもアリ。主人公のパプリカは夢の中で空を飛んだりすり抜けたり変身したり…まさに夢のような仕掛けが爽快。一方の悪夢の様子も相当狂ってる(けど不思議でちょっとかわいいかな?)。パプリカは事件の真相を解き明かしていくと同時に、周囲の人たちの夢にまつわる悩みを解決していく。そして千葉敦子自身本人の悩みも。夢の中の冒険活劇、だけどちょっとオトナな話なのが素敵です。ちょっとオトナなシーンもあるけど、オトナだったら大丈夫だよね?声の出演もたぶんみんな聞いたことのある人ばかり。東京ゴッドファーザーズに続き江守徹さんもいい演技をしておられます。

関係ないけどこんな話も
「パプリカ」の今敏監督がいいこと言った件について - Tech Mom from Silicon Valley
結局同じ人間・同じ世界だもんね。本当にそう思います。

それにしても…次回作はいつに?

実力行使。Justice - Stress[PV]

2008.05.04 Music

justice_stress_0.jpg

各ニュースサイトでも取り上げられていますがJusticeの新曲StressのPVが公開。

Justiceのトレードマーク・十字架がプリントされたパーカーをまとった少年ギャング達。町中の物を破壊し、通行人に危害を加える彼らの行動はまさに目を覆いたくなる光景。この映像は彼らの仲間が持ったカメラが撮ったドキュメンタリーになっている。町中、店、車…彼らの行動はエスカレートしていく。しかし傍若無人な彼らの行動はやがて警察の目にも留まり…。

いやこれ本当にリアルに撮ってあって。もちろんこんなこと本気でやってたら警察沙汰なので全編演技・やらせで撮ったんだと思いますが、あまりの迫真の演技にPVであることを忘れてしまうくらい。特にモンマルトルの丘・サクレ・クール寺院前でギャング達が観光客に絡むシーンは、周りで観ている人たちの怪訝な顔が写るカットが挟まるせいか余計にリアル。一通り観たあとも「これってフェイクだよね?もちろんそうだよね?」といい聞かせたくなるくらい。これは賛否両論あるだろうな(PTA的な意味で)。とりあえず日本じゃできない。

ストーリー的にも、途中でカメラをまわしている人間がギャング達の仲間であることがわかったりするシーンもありただのドキュメンタリータッチにならない二重構造になっている。ハンディカメラで撮った映像というと最近ではCLOVERFILDが思い浮かびますが、このPVでは「被害者達」をしっかり映すことでリアリティを獲得している。

と、このPVはかなり刺激強めでJusticeを知らない人は変なイメージを持ってしまいそうなので、この機会に今までのJusticeのPVをご紹介。

justice "D.A.N.C.E"
Tシャツ芸、というべきかど根性ガエルもびっくりな「動くTシャツ」。人の動きにシンクしたり、隣の人のTシャツに移ったり。途中本物の鍵盤がTシャツからぽろっと出てくるところなんかうまい。

justice "DVNO"
懐かしい「あの映像たち」のパロディでまとめたPV。あの頃のハリウッド映画大好きっ子(バックトゥザフューチャーとかね!!)には堪らないロゴサインのオンパレード。観てるとつい「あーこんなのあった!!」と言ってしまうおっさんホイホイ成分含有。ニコニコ動画では元ネタを解説しているコメントもあるのでそっちでもどうぞ。

毎度のこと見事なPVです。

攻殻機動隊がスピルバーグの手で実写映画化決定!!…とその思惑は?

2008.04.16 Movie

Variety Japan | 「攻殻機動隊」ハリウッドで3-D実写映画化
「攻殻機動隊」、ハリウッドで実写映画化。:アルファルファモザイク

ここんところハリウッドでは日本のアニメ・マンガ原作の作品が次々に製作されている中でのこのニュース。最近発表されたものではマッハ555、ドラゴンボール、AKIRAと期待と不安が入り交じるラインナップ。ここにきてジャパニメーションの真打ちとも言える攻殻機動隊がハリウッドで実写映画化。かくいう私も攻殻の大ファンなので、「本当にちゃんと再現してくれるの?」という気持ち半分、「でもきっとスピルバーグがやってくれるのなら…」という期待半分といったところ。やっぱり少佐はアンジェリーナ・ジョリーになっちゃうのかなぁ、とかサイトーはやっぱりケン・ワタナベなの?とかキャストを考えただけでワクワクモノ。さらに製作は去年の全米大ヒット作「トランスフォーマー」を手がけたドリームワークス。私個人としては原作やアニメ映画から多少逸脱しても面白いかなあとは思ったり。かなりエンターテイメント色が強い作品でも器がしっかりしてる分いけそうな気がします。まスピルバーグ自身が「『攻殻機動隊』は私のお気に入りのストーリーなんだ」と言ってるくらいだから我々の知っている攻殻機動隊に近づけてくれる事を期待しましょう。

…とここで終わりたいところですが気になる点がいくつか(右京さん風)。今回のニュース記事の中でスピルバーグがちょっと気になる発言をしています。

新しい分野だけど、ドリームワークスは熱意を持ってこの企画にあたるよ」

新しい分野。今回の攻殻機動隊の映画化のどこが「新しい分野」なのでしょう。アニメ作品であれば大ヒットしているシュレックシリーズを制作しているし、アニメ原作という意味であれば既にトランスフォーマーも制作しています(攻殻機動隊よりよっぽど映画化難しいと思うけど)。では何が「新しい」のか。それはこの映画が3-D実写映画であるという点です。

「いや、実写なら3次元に決まってるでしょ常識的にかんg」と言いたくなるところですが、ここでの3-Dの意味は違います。立体上映の意味です。そう、3Dメガネを付けて観ると映像が飛び出してくるアレ。このソースではアメリカでは3万7000スクリーンのうち、およそ1500スクリーンが3-D対応。日本ではまだほとんどなく最近ようやく対応映画館が出てきたかという状況。で、なんでまあわざわざ3-D対応の映画を作んなきゃいけないかというと事の経緯はこんな感じらしい(やや妄想含む)。

映画制作側「映画館のためにフィルムいちいち複製するのめんどくせー。しかも金かかるし。今はほらデジタル時代なんだからさあ、データでわたしちゃえばいいじゃん。ま、ただデジタルにするだけじゃもったいないから映画館には3-D対応の機械も買ってもらおう。これでがっぽり間違いなしだお!!」

映画館側「ただでさえ経営が辛いのになんでそんな機材買えるかっ!! ならちったあ金出さんかい。それに3-D上映?本当にオモロいんかそれ?わざわざ3-Dのために高い機材そろえて結局お客さん入らなかったらどうしてくれるんじゃい!!」

映画製作側「うっ…そんな怖いこと言わないんでほしいんだお…。なら絶対に当たる企画出せば文句ないよね。さーて当たりそうな企画はと…」<今ココ

映画館の人はそんな怖くないです。すみません。とにかく、ちょうどアメリカの映画界は分岐点に入っているらしく、このデジタル&3-Dプラットフォームを促進させるためのキラーコンテンツの一つとして攻殻機動隊が選ばれたということみたい。なんかこんなシーンを久夛良木さんがらみで見たような気が…。

やはり攻殻だけにいろんな人の思惑が入り乱れているのか。もしかするとこれが本当の、公安9課最大の危機か?

追悼・市川崑

2008.02.14 Movie

追悼・市川崑

会社で市川崑が亡くなられたというニュースを見て一人で大声を上げてしまった。…のだが会社の他の人は「え?誰それ?」的なリアクション…なんという!! 私としては亡くなられたことよりも会社でのリアクションの方がショックだったが…。とりあえず気を取り直して。いや、私はそんなに映画通でもなんでもないので、市川崑監督の1から10までを全て言えるわけではないんだけど、私のような映画シロートでも十分にその偉大さは知っている。ほら誰もが知ってるあの、名探偵。

やはり一番有名なのは金田一耕助シリーズである。今まで数々の俳優が金田一耕助を演じてきた。古谷一行、片岡鶴太郎、豊川悦司、最近だと稲垣吾郎メンバー…しかし何と言っても一番有名なのは石坂浩二。石坂浩二が演じた金田一耕助の映画は全て市川崑が監督している。

金田一耕助と聞いてまず何を思い浮かべるか。湖から逆さに突き出た二本足。これは犬神家の一族のワンシーン。ここまで来るとアレのイメージだけが一人歩きしてにしおかすみこに吸収されちゃった感もあるけど、ここはぜひオリジナルを観てほしい。静まりかえった湖畔にぽつんと、人の足。当然だけど本当に異様。市川演出はこれだけに留まらない。殺害シーンでの血の飛び散る演出。わざわざ血だけが飛び散るシーンをインサートすることで直接見せる以上のインパクトが生まれる。また登場人物を24のようなカット割りで同時に見せる手法。これでもかと飛び出る名演出は全て30年以上前に撮影されたもの。今では普遍的になった手法、でも改めてオリジナルの「八つ墓村」「犬神家の一族」を観るとその強烈さたるや。

金田一耕助シリーズはただのセンセーショナルさが売りなだけではない。推理ドラマ、風土表現、人情話、時にコメディタッチにと様々な要素を含む。それをまとめてエンターテイメント映像として大成させたのは市川崑監督の功績。

…とここで上に貼付けた今回の画像である「監督市川崑」を見て「え、極太明朝を折り返し表記、ってエヴァンゲリオンのマネ?wwwwプーッwwwwなんでいまさらwwww」と思ってる輩がいたらそれこそプーッ!!ですよ!! 極太明朝+折り返しと言えば市川版金田一の名物(こちらのブログだとよく比較できる)。この作品の後世に与えた影響は大きい。

そんなわけであながちデザインとも無関係ではない市川崑監督。せっかくだからこの際、「八つ墓村」や「犬神家の一族」(最近のリメイクじゃなくてぜひ古い方)から見直してみてはいかがか?きっと新しい発見や、現代の表現に繋がるものが見つかるはず。

…いちおうまさかと思いますけど皆さん、大村崑と勘違いしてませんよね?推理は推理でも「赤い霊柩車」ですので。

…ってネタを考えて文章書いてたら私が間違えて「市村」って置換しちゃったよ!! 今は直したけど。

[from ABM] Sony: HD Experiment

2007.08.02 Movie

Sony: HD Experiment


FICC AnotherBookmarkにニュース掲載された映像作品。当ブログでは久々に映像ネタ。

Blink - Sony: HD Experiment

SONYのハイビジョン対応製品のイメージCM。シュチュエーションも何もよくわからないですが、とりあえず、まっぷたつの車。中にはプードル、ネオン管、ポリッシャー、大量の泡、銀色のバルーン、スポンジ、巨大シャボン玉を作るマニピュレーター…そしてそれを見守るように配置されたHDハンディカムにサイバーショット、PS3にブラビア。勝手に暴走(てか独り走り)する世界を淡々と記録するSONY製品群(しかもHDクオリティ)。あまりの世界観のバカバカしさに胸を打たれます。いやまず曲がズルい。見事にCMの世界観を牽引…というか自己弁護してる(「すみません馬鹿で…」みたいな)。でもシャボン玉が割れるところとか肝心な所はほんとにきれいに撮れてるのよね。

最近のSONYのCMと言えばBRAVIAの坂をはねる大量のスーパーボールや、ペンキ爆弾などの「とりあえず実験してみてるところを撮影」という形式が流行ってる模様ですが、その流れを「わざとらしさの塊」としてセルフパロディした形にしたのがうまい。

制作はPleixSometimese-babyあたりが有名な作品。e-babyは2003年の文化庁メディア芸術祭アート部門で賞を受賞してますね。ちなみにBeauty Kit2001年のノンインタラクティブ部門受賞。映像・CGのクオリティの高さももちろんですが、作品全体に漂う皮肉感、ひねくれた感じが特徴。男の子な映像、と言いましょうか。理屈っぽさが好きです。

関連リンク:
Pleix
Pleix - Wikipedia, the free encyclopedia

究極のアカデミー賞まとめサイト。そして「Hello」。

2007.02.27 Movie

第79回アカデミー賞

第79回アカデミー賞。

助演女優賞でノミネートされた菊地凛子さんは受賞ならず、というニュースは非常に残念。…でも待てよ、「バベル」ってどんな映画なんだ?「ラストキングオブスコットランド」って何?ロードオブみたいなもん?そんな海外映画に疎い僕らに最高な第79回アカデミー賞まとめサイトがこちら。

Apple - Movie Trailers - 79th Academy Awards

AppleのQuickTimeサイトスペシャルコンテンツです。今回のアカデミー賞のノミネート一覧を軸に、その作品のトレイラーへのリンクが貼られている。しかも今やほとんどのトレイラーがHDクオリティ(日本人に馴染みがある言葉でいうとハイビジョンです)で観れてしまう。実際に「バベル」のHDトレイラーを24inch液晶に映して画面から50cmの距離で鑑賞しましたが、むちゃ綺麗。なんか普通に映画館で観てる気分になります。このクオリティはみんなに体感して欲しい。家でこれが観れるってヤバいです。バベル観たくなってきました。さらにこのサイトが "最高" なのは、トレイラーだけでなく、その映画のサントラや関連したPodcastをiTunesでダウンロードするためのリンクが貼られているところ。映画によってはその映画自体がダウンロードできるものも(Cars、The Prestigeなど)。残念ながら日本からこのリンクを利用することはできませんがうまいことやってんなぁ、という印象。よって我々はHDトレイラーを鑑賞して悦に浸ることにしましょう。いやマジで綺麗なんだから。

さて、話はこれで終わりません。Appleはまとめサイトだけでなくこんなものも用意していました。

Hello

Apple - iPhone - Hello

総勢31人(人じゃない人も含めて)のハリウッドスター夢の "Hello" 共演。そしてiPhoneに続き「Hello」「Coming in June」の文字。これはアカデミー賞の生中継番組で放送されたiPhoneのテレビCM。Appleらしく誰でも思いつくような極めてシンプルなアイデアから生まれたCMですが、映像のサンプリングと "Hello" という一貫したキーワードのおかげで携帯電話という更に広い市場を目指すAppleを象徴するようなCMであります。アメリカ大統領(の役)の後最後にMr.インクレディブルを持ってきたのは、「アメリカ大統領よりもヒーロー(Pixar、つまりはApple)でしょ」といったところか。そして映画の中に登場する電話はこれからはiPhoneに置き換わっていくんだ、というメッセージも込められているような気がします。

ちなみにこのCMに何度と無く登場する単語 "Hello"。この言葉はAppleにとって特に特別な挨拶、である。記念すべき初代Macintoshが発表された時(私が生まれた年ですよ!!)のキャッチは "Hello" だった。そしてAppleの金字塔の一つ、初代iMacが発表されたときは "Hello, again." 、"Say Hello to iMac." に。そして今回、iPhoneの登場は再び "Hello" で表される。このキャッチが示すもの。それが、AppleにとってはiPhoneの登場は、PCの革命をもたらしたMacintoshの登場と同等の意味を持っている証。

Appleからイノベーションが生まれたときの挨拶は "Hello"。では孫さんよろしくお願いします。

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