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2014年「いろいろ」まとめ

2015.01.13 Text

引き続きあけましておめでとうございます。映画に続きどんどん行きます。

マンガ「とんかつDJアゲ太郎」

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とんかつとDJを両立させる…何を言ってるかわからねーと思うが「とんかつDJアゲ太郎」とはそういうマンガである。マンガに詳しいわけではないのでよくわからないがDJを題材にしたマンガというのはそもそもそう多くはないように思う。そしてDJでもない人間が言うことではないのだけれども、DJとしてあるべき姿というものを明確に定義できていることが非常に素晴らしい。いろいろなDJのいろいろなプレイスタイル、楽曲に対する姿勢、オーディエンスに対する姿勢、みんな違ってみんないい、がDJはオーディエンスに向け音楽を届けることは変わらない。このマンガには音楽と、音楽に向かう人たちへの愛がある。もちろんとんかつへの愛も。とかなんとか言ってたら2/4に 単行本1巻発売ですよ!

音楽

A面・Pharrell Williams「24 hours of Happy」

B面・tofubeats「ディスコの神様 feat.藤井隆」

曲を売る最も効率的な方法は何か。それはとにかく繰り返し聴かせることとではないか。Pharrell Williams「Happy」のために制作された世界初24時間MV「24 hours of Happy」は24時間曲が流れ続けその後ろで様々な人々が踊りを繰り返す。道端で、建物内で、オープンで普通の場所で彼らは踊り続ける。アレな感じの作りの日本版PVと見比べるに、やはりアメリカの彼らとダンス・音楽との距離は近いものであり、あまりにも自然なものとして存在しているように感じる。 一方「ディスコの神様 feat.藤井隆」はほぼダンスが描かれない映像でありながら、ダンスをテーマにしたMVではないだろうか。抑圧された日常の向こう側に、ダンスフロアが存在する。しかし彼女たちが向かう先はダンスフロアではなく自宅の一室だ。DJはSoundCloud、彼女たちのダンスは心の中にある。 音楽とダンスのケとハレ。これは人間の気質や文化環境の差なのだろうか。どちらが正しいということではなく、どちらもこの世界で起こっている確かな事象なのだ。

カメラ「SIGMA dp Quattroシリーズ」

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SIGMA dp2 Quattro 極めて挑戦的なデザイン。この横長のボディは普通に考えれば、片手で撮影した際の回転ブレを大きくしてしまう。敢えて安定しないこの形が2つの手で操作することを自然に “強要” する。独特のデザインが「今、カメラで撮影することの意味」をユーザーに伝えている。今、カメラのデザインはクラシカルなもの、カメラ然としたものを正として作られている。そこから遠いか、近いかで判断されてしまう世界。強烈なメッセージがあるからこそその呪縛から逃れることができるのではないか。

ゲーム「Twitch Plays Pokemon」

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普通、ネットを使った同時接続のゲームは、それぞれが持つキャラクターを別々に操作する。がTwitch Plays Pokemonが革命的だったのは同一のキャラクターを皆で操作する。つまり何千という人間の手が同時に一つのコントローラーを操作する。結果何が起こるか?カオスだ。これはゲームボーイ版ポケットモンスター赤をゲーム動画配信サイトTwitchの掲示板への書き込みを用いて操作する「全世界同時操作ポケモン」だ。数千人の人間が好き勝手に↓だAだSTARTだと入力するから序盤は一向にゲームが進まない。数日ほぼ同じ場所にキャラクターが留まり続けることもあった。次第にゲームが進み敵を初めて撃破したころから集団の中に僅かな意思が生まれる。カオスの中から生まれた僅かな意思を頼りに、物語は進む。誤操作によるミスや思わぬ奇跡が、通常のゲーム実況では生まれない感動と興奮が次々に飛び出した(手に汗握るドラマの数々はここにまとまっている)。これは政治であり、人類学であり、時に宗教のようにうねりを見せる。ただのゲーム実況がまさか民主主義の縮図となろうとは誰が想像したであろうか。2014年はゲーム実況が広く市民権を得た年であったが、このようなまったく別の角度からゲームとプレイヤーの関係を変えるような実験が行われたことが非常に面白い。多人数で遊ぶという点だけでもまだまだ新しい切り口が考えられる、ということだ。

架空UIデザイン「シドニアの騎士」

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アニメ「シドニアの騎士」に登場するスクリーンデザイン。制作は三階ラボさん。弐瓶勉による原作にも登場する日本語を交えた独特のインターフェースデザインを、魅力のそままに動画用に再構築したのはさすがっ!二期も楽しみです。

女の子「サビーナ・アルティンベコワ」

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アメリカでは巨尻ブーム、日本では巨女ブームと何かと「巨」が持て囃された2014年。そんななか彗星のごとく現れたカザフスタンのバレーボール選手であるサビーナ・アルティンベコワさん。かわいくてこの身長(12頭身!)。まさに夢のドリームや!この世界はまだ僕らが知らなかった希望がある!まだ生きていこうと思わせてくれました。とこれを書いた後で日本に来てたことが発覚。あと同じバレーボールでも「あっこんなこと現実にあるんやな!」教えてくれたこちらのハプニングも僕らに生きる希望を与えてくれました。まだ生きれそうです。

一方、スタイルでは敵わないですけど日本には富士山さんがいるぞい!

ロボット「デアゴスティーニの組み立てロボット『ロビ』」

ついにロボットが笑いの分野に足を踏み入れた記念碑的な映像である。実は笑いとロボットは相性がいいんじゃないかと思ったり。そういえば未亡人朱美ちゃん3号もロボットの設定でしたね。

グミ「 コロロ(UHA味覚糖)」「パリコレ(カンロ株式会社)」

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2014年、グミ界に新たな旋風が巻き起こった。ネットでは “乳首の食感” として話題になった「コロロ」。柔らかいグミを歯ごたえのある薄い層で包むことによってプチっと弾ける、まるで本物のブドウを食べているかのような食感が味わえる。乳首かどうかはさておき、新感覚であることは間違いない。惜しむらくは製法がウィンナーのように皮をねじっているために、両端に小さく結び目ができてしまているところだがこの食感の面白さの前では小さなこと。

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「パリコレ」もまたグミの外側の食感にこだわっている。細長い病状のグミの周りを固い砂糖の層でコーティング。名前の通りパリっとした食感が味わえる。ポイフルのようなグミの周りを硬くした商品は多いが、パリコレの場合は細長い棒形状が余計にパリパリ感を強めている。見た目にも可愛らしく新しい時代のグミとして受け入れられていくだろうなと。

本「現場のプロが教えるWebデザイン&レイアウトの最新常識 知らないと困るWebデザインの新ルール」

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初めて本の執筆に参加させていただきました。Amazonでの購入はこちらKindle版もありますよ。

よかったこと「RAW-Fi」

最近更新が滞っている状況で言えることではないですが、2014年はRAW-Fiが作れたことが大きかったです。今年はさらに面白くしていきたいですね。

特筆するほどでもなかったこと「結婚」

2014年に結婚しました。天邪鬼な自分には、嬉しいけれどもめでたいこととも何も思わず。書類を提出するだけで幸せが増えるなんておかしな話ですし。結婚すればなんでも幸せ、なんでもめでたいという発想は思考停止なのではないでしょうか?という世間に対するクソリプ。結婚式がクライマックスなんてあまりにも本末転倒だと思います、と再度クソリプ。2015年もこのようにゼクシィ的価値観と戦っていきたいと思いますが、ともかく結婚にはクライマックスや終着点はなく、日常そのものなので、何か妙な意味を持たせる方がおかしなことのように個人的には感じています。一方で続けることが目的になってしまうのもそれもまたおかしな話です。しかし良い日常が続くことが結婚の本質だと思いますので、良い日常が過ごせるように努めていければと思います。

あと1ヶ月ちょっとで1年が経つので、その時に「あっ、やっぱりめでたかったね!」と言える気がしますね!

2015年も何卒よろしくお願いいいたします。

2014年「映画」まとめ

2015.01.13 Text

あけましておめでとうございます。今回も例によって崇高な理念など特にない、エンターテイメント軸でまとめます。

ランキング

1位「ウルフ・オブ・ウォールストリート」

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出てくるものはカネ、ドラッグ、セックス…セリフに「fuck」が登場する回数映画至上最多の506回という下品でサイテーな映画、なのにこのハングリーさと人間の可笑しさからくるギラギラとした魅力に惹きつけられてしまう怪作である。カネを稼ぐことが息を吸うことと同じレベルまで引き上げられた時、人は狂気にかられたような行動に走る。それはカネが人を狂わせたのではなく、カネを平静でいるための体の抗体反応であるという。ディカプリオ扮するジョーダン・ベルフォート(実在の人物である)はあらゆるものを手にいれた後、転落の最中で得たものを失っていくが、大切なのはその順番だ。最後に彼の手元に残ったものこそ、彼が本当に大事にしているもの、彼のアイデンティティーなのだ。 「さあ、君はこのペンを私にどう売るんだ?」

2位「インターステラー」

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この映画でもっとも重要な要素は何か。地面である。枯れ果てた大地を離れ、新しい大地へ。宇宙の話なのに無重力の描写がほとんどないのも印象的で、この映画最大の無重力表現はもっとも重要なシーンに現れる。人間が人間らしく生きる基底を探す旅なのだ。相対性理論にワームホール、人類の存亡をかけた宇宙と時空を股にかける壮大な物語であるが、物語のテーマはむしろ極めて矮小な親子愛、というよりも「いかに近くにいる人間へ本当の気持ちが届いていないか」を描く。主人公は自分の娘への愛情を疑っていなかったしこれが正しいものだと思い込んでいた。確かにそれは正しかったが、問題は当の娘にその気持ちが届いていなかったことにまったく気がつかなかったことだ。時間と空間の差が主人公にその事実を気がつかせた時、彼は命をかけてその想いを伝えることに挑戦することになる。人間を断罪する崇高な「2001年」もいいが、やはりエンターテイメントはこうあるべしと思うわけですよ。「地球ではない場所」の映像もどれも素晴らしく、キャラクターも魅力的。こんな俗な宇宙の旅もいいんじゃないでしょうか。

3位「ゴーン・ガール」

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「良い夫」。わかる。「良い妻」。わかる。じゃあ「良い夫婦」とは?それは二人の関係性だけでなく、社会にる評価が必要不可欠な、まったく別の概念だ。人はなぜ結婚するのか?それは互いに補い、互いの価値を高め合うためだ。そしてその価値は誰がつけるのか。それは社会だと妻は言う。第三者の認定があって初めて生まれる「良い夫婦」。そして夫婦である以上、相手を否定するということは、自分自身の存在も否定することになる。一度夫婦であることを認めてしまえば、そこから先は自己肯定を続けるしかない。これが夫婦になるということだ。で、この映画を観た後でも結婚したいと思います…?

最後まで緊張感が抜けない、非常に素晴らしいサスペンス映画。しかし最もサスペンスだったのはスタッフロールが流れ始めた瞬間、劇場中のカップル達が足早に席を立ったことだった。わかる、わかるよこの場から一刻も早く離れたいという気持ちが…!! 結婚を前提にお付き合いをしているカップルにはぜひ見て欲しい映画ですね…!!(ゲス顔)

4位「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」

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見終わった後、最高だったという気持ちと同時に、なぜこの映画が日本から出てこなかったのかと心底悔しくなった。ルパン三世だってカウボーイ・ビバップだってエヴァだってスター・フォックスだって、この映画を構成する要素は日本にあったのに。ただこの映画の本当の主役である80’sヒットソングは日本生まれじゃないですけどね。

母親の形見であるミックステープ(!)聞き続けて大人になった主人公(まるでシンジ君のようだ)。映画の内容は純粋な冒険活劇だが、ストーリーの根底にあるのは彼が喪失した母親と、父親の話に他ならない。彼が本当の意味で “家を出て”、新たな家族を作るまでのストーリーなのだ。ストーリーに直接の関係はないが、映画の背骨になるのはまさにそのミックステープ。これは新しい形のミュージカルなのかもね。

5位「LEGO® ムービー」

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「MOTHER2」は私の人生に多大な影響を与えた傑作だが、未プレイの大人が今からプレイして、当時小学4年生だった私と同じ感動を得られるか、というと難しいのではないかという話がTwitterで上がっていた。現実問題、大人はおろかこどもだってMOTHER2を遊ぶ環境はない(任天堂のカスタマー窓口はこちら)。しかし悲しむことなかれ、我々にはそれに近い感動を得られるソフト「LEGO・ムービー」を得たのだ!!

未熟な “ぼく” は様々な人に会い、様々な場所に行き、アイデンティティを確立していく。もがきゲロまみれになりながら先へ進むMOTHER2の中の “ぼく” とLEGO・ムービーの中の “ぼく” は重なりあい、マジカントに落ちるように自分のルーツにたどり着く。ギーグとの末にコントローラーを握る “ぼく” が登場するように、観客はLEGOを巡るクリエイティビティの源泉を目の当たりにすることになるのだ。

なによりLEGOで映画を作る必然性がこの映画には溢れている。LEGOを手にするすべての人たちを肯定する見事なストーリー。LEGOの創造性を映像にする、というのはこういうことだったのかと。

6位「ベイマックス」

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  • ロボットアニメの鉄則(1): その力は誰かから少年へ与えられる
  • ロボットアニメの鉄則(2): おもちゃの売り上げの都合上、途中でパワーアップする
  • ロボットアニメの鉄則(3): 最終的にその力を自分から手放さなければならない

ベイマックスは日本のロボットアニメの文脈に沿った、由緒正しきロボットアニメだ。ロボットアニメは科学技術賛歌だが、今科学の力を改めてポジティブに受け取ろうという機運がある(メイカーズムーブメントもその一つだ)。その中で “主役機” ベイマックスが世の役に立つケアロボットであるというのは非常に納得がいく。往年の夢の科学世界と、現在の科学の進む道がシンクロした結果がベイマックスなのだ。ベイマックスが「かわいいことも機能のうち」という説明は非常に現代的。一方でストーリーの軸は、科学が直接的に解決できない “心の喪失感” である。主人公達、ビッグヒーロー6の戦いは一貫してその喪失感と向き合うことだ。難がないとは言わないが、ロボットアニメの鉄則を踏みながら、キャラクター、ギミック、演出すべてが整い一つのゴールに向かう完成度は今年一番高かったのではないだろうか。

7位「her/世界でひとつの彼女」

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“男女の認識によるすれ違い” はすでに「かいじゅうたちのいるところ」で描かれている。理解できないまま破局していく夫婦の姿を子どもが回想する形で進んだのがあの映画であるが「her」はまた違った理解と不理解を描く。何せ主人公が恋する相手は肉体を持たないAIである。このAIは賢くて “セクシー” なので互いに理解するのは早い、が肉体の有無の差が2人を引き離していく。押井版「攻殻機動隊」では草薙素子はバトーではなく人形遣いを選ぶ。コドモトコは2人の子どもであり、彼女はネットへ消える(俺はバトーさんの味方だからな!と大声で叫びたい)。では肉体を捨てられなかったバトーは意気地が無い男なのかといえばそれは違うだろう。相手の意思を理解し尊重することで彼らは大きな糧を得たのだ、と思いたい。寂しい人生だね、なーんてお前の尺度で人の人生を測られてたまるかバーカ!…とバトーさんの代わりに言っておこう。

どちらかといえばherは男女関係の話を用いて、ネットの普及によるコミュニケーションの変容や、AIによる根本的な人格のあり方の変容を描いている。主人公は手紙を代筆する仕事に従事しているが、それはいつまで続けられる仕事なのだろうか。我々が大切にしていたものがあっという間に崩れ去ってしまうことを、一足先に見せてくれたのがこの映画なのだ。

8位「GODZILLA」

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劇場でゴジラが咆哮する姿を見たとき、涙が自然にツーっと。本当に。やれテーマがなんだとかそんなことはどうでもいい、スクリーンで生きているゴジラの姿が観れることが最高なのでもうそれ以上言うことはないですね!この企画を通した人に握手とハグをして回りたいです!

で、ストーリー側も一応書きますけど “スタートのスイッチを押してしまうが、ストップのスイッチを押せない” という描写を繰り返すことで「人間は愚かである」ことを伝えているのは良かったです。311以降のゴジラとして、核に対するメッセージとして極めて真っ当だったのではないでしょうか。


9位「思い出のマーニー」

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「あんなやつ死ねばいい」という言葉がジブリ映画で飛び出したのは初めてではないか。「思い出のマーニー」が描く疎外感は、実は「アナと雪の女王」と相似形である。疎外感の元凶の話は「アナ雪」に回すとして、アナ雪以上にこの映画が気持ち良く、すっきりと感じられるのは「好き」という言葉を口に出しているおかげではないだろうか。そもそも「好き」にしろ「嫌い」にしろ、主人公のアンナのセリフは誰かに向けられているようですべて自分に向けて発せられた言葉だということに気がつくだろう。だからこそ誰かを好きになる、知りたくなるという欲求が、結果的に自身の存在を肯定していく。自分を許すことは、自分のことを好きになってあげることだ。 「アンナお願い、許してくれるって言って」 「もちろんよ、許してあげる、あなたが好き」 感情が高まった末にマーニーに思いの丈をぶつけるシーンはあまりにも赤裸々で揺すぶられるのだ。

10位「アナと雪の女王」

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《ここだけネタバレ度高いです》 「黒子のバスケ」脅迫事件の被告の手記を読んだ時、エルサは彼と同じだったのだ、ということに気がついた。社会に対する疎外感はいずれ他者に刃として向けられる。エルサの氷の魔法が他者に向けられた瞬間図らずも刃の形になってしまうことがそれを表している。彼は(彼女は)自身の事を冷静に客観視する優れた能力がある。にもかかわらず自己愛と他者への憎しみを捨てきれない。だから氷の城に逃避する。あのおなじみ “レリゴー” は逃避の歌だ。“ありのままの自分” とは文句ばかりは美しいがそれは根本的な解決ではない。自分の城に踏み込まれその逃避すらも剥奪された時、彼女は凶行に走ることになる。では凶行とは何か?

この物語の最重要人物はハンス王子だ。彼の事を私は人々が作る “空気” の象徴と捉えていたが、 彼は「鏡」である、という話 を聞いて腑に落ちた。「思い出のマーニー」ではアンナが発する言葉は結果的に自分に向けられているといったが、アナ雪のハンス王子もまた自己の投影である。アナが入れ込むのは自身と同じ境遇を持つハンス王子だ。民衆が自己正当化するためにハンス王子と共犯関係になる。ハンス王子は鏡であり、向かい合うもの自身を投影した存在、実体を持たない存在である。そして物語の後半、ハンス王子はエルサを手にかけようとする。しかし鏡が人を殺すことなどあるだろうか?彼女を殺すことができるのは彼女自身、つまりエルサの最後の凶行とは “自殺” である。

今ではディズニー最大の人気者なったオラフも非常によくできたキャラクターだ。ディズニー映画のマスコットは文字通りの存在でしかなかったが、エルサからアナへの想いを伝える媒介者としてオラフは機能する。これほどまでに近くにあった姉から妹への愛情に気がつかずにいたアナが、身を呈してオラフが伝えるそれに気がついた時、家族の愛情を取り戻す。最終的に凶行を止められるのは確かに近親者しかいないのかもしれない、がそれだけでいいのか、という疑問はやや残るところだ(アナはエルサにとって最後の近親者であり、もし彼女もいなくなったら…?)。それでも複雑で現代的なテーマをギミックを駆使してストーリーに落とし込み、話のエンジンを歌に持たせることで疑念を払拭しながら、「ありのままでいいのだ」という口当たりの良い文句によるプロモーションで覆い隠す…映画の作品性と商業性を究極的に両立させたのがアナ雪であり、アナ雪現象はその見事な映画作りの結晶だと言えるのだろう。

主演・助演男優賞「マシュー・マコノヒー」

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インターステラーの頑固で一徹、職人気質でかつラジカルな父親像はただひたすらにカッコいい。が、やはりウルフ・オブ・ウォールストリートでディカプリオに「フフフン」を伝授するイカれた彼こそカッコいいのではなかろうか。さあ皆さんもご一緒に。フフフン(ドンドン)

主演・助演男優賞「スカーレット・ヨハンソン」

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クロエちゃんはもう殿堂入り的な扱いなので今回は書かないでおくとして(祝・ヒットガール復活、にif i stayの少女漫画的美少女の表現は最高であった)、何は無くとも今年はスカーレット・ヨハンソン。herに登場するAI、サマンサの声だけの演技はとてもステキでちゃんとエロいし、LUCYは映画の内容はさておきやっぱりこういう役を今やるとしたらスカヨハだよね、と納得させてくれる働きぶり。もちろんブラックウィドウも忘れちゃいけない。正直この3本でハリウッド版攻殻機動隊で草薙素子役を演じる内定が決まったなと思ってます。というかもうこの人しかいないでしょう。 …とか言ってたら本当に決定したとのこと。おめでとう!!

主演ロボット賞「ベイマックス」

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かわいい。ふわふわしてる。動きはコミカルで、そして強い(いろいろな意味で)。最高だ。人類は一刻も早く現実にベイマックスを作る技術を獲得しなければならないだろう! 主人公ヒロの兄・タダシの現世への置き土産という設定だが、ビールっ腹やバッテリー切れ時の酔っ払い行動、(ヒロの目から見れば)鈍臭く、人の心に土足で上がりこむある種のデリカシーのなさは、ベイマックスが作中で父性を担当していることを暗に示している。ヒロはベイマックスを通して父性に再び触れるのだ。 しかし一番見事だなと思ったのはベイマックスの目がパワードスーツを装着するときにちょっとカッコよく見えるギミック。これもキャラクター原案に携わったコヤマシゲトさんのアイデアだったんですねー!(原典はこちら)ぷよぷよバージョンのベイマックスの方が人気でしょうが、パワードスーツをつけた2.0も本当にかっこいい。なぜこういうときに限ってちゃんとしたフィギュアを各社が出さないのか理解に苦しみますぞい!!

助演ロボット賞「TARS」

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インターステラーの劇中「えっそれマジ?」とつい口に出してしまうシーンが4、5回くらいありますが大体彼がやらかしてくれてます。全速力で走るTARS。すげえ精密さが必要だろうなと思わせる操作をえっ、そんな感じで操作するの?なTARS。萌えますね。

音楽賞「Guardians of the Galaxy: Awesome Mix, Vol. 1」

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ベタで俗っぽい、でもそこがいいお母さんの最強ミックステープvol.1。GotGの真の主役でしょう。Amazonはこちら

今年の見たかったけど見られなかったやつ

  • グランド・ブダペスト・ホテル(クソっ、どうせオシャレな人が見に行くやつなんだろ!!という被害妄想)
  • ・複製された男(たぶん好きなんだとは思うんですが)
  • ・6才のボクが、大人になるまで。(これは完全に見とけばよかったなー)
  • ・アデル、ブルーは熱い色(アナ雪、マーニーときてなぜこれを見なかったのだ私は…)
  • ・リヴァイアサン(GoProの可能性の一つですな)
  • ・紙の月(宮沢りえのあれやこれやで「破局」という言葉の意味を知った小学校1年の私)

続いては2014年全体のまとめ、です。

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  • AKIRAFUKUOKA(福岡 陽)
  • FICC inc.所属。Flashコンテンツ開発担当、でもデザインや企画まで手がけることも。
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  • また趣味的にクラブイベントRaw-Fi 主宰も。当ブログよりモノ系・文化系に特化したRaw-Fi Blogも更新中。
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