Apple秋の新製品祭り - iLife '11、MacOS X "Lion"、そしてMacBook Air!
2010.10.21 Gadget日本時間21日の午前2時から行われた秋のApple Specialイベント。テーマは "Back to the Mac"、ということでここのところiPhoneやiPadの話題ばかりで放っておかれていた感のあるMac関連の話題ですが、ようやく新しい話題が到着、しかもハードウェアよりもソフトウェアよりな話が多かったので個人的にはかなり楽しい発表会でした。では発表の時系列順に客観的事実と主観的感想を書き連ねていきたいと思います。
まずはiLife '11から。
iPhoto '11 - Facebook連携機能強化、洗練されたインターフェース。

iLifeの花形といえばiPhoto。新バージョンではインターフェースが一新。いままではおまけ程度でしかなかったフルスクリーンモードが超絶強化。見た目的にもiPhone/iPadアプリのような雰囲気に衣替え。たしかに今までは機能が横に下にととっ散らかっていて、どこに何の機能があったか忘れてしまったりうまく把握できなかったこともしばしばありましたが、フルスクリーンモードでは全て画面下からスタートする方向性に。iPhotoの基本は写真の整理ですが、今まで撮影情報(絞りやシャッタースピード、誰が写っているか)が別ウィンドウになっていたりわかりずらかったのが全て画面右に集約。情報を見ながらの写真整理が圧倒的に楽になりました。ここは個人的にかなりポイント高いです。
そして写真の楽しみかたの一つは「人に見せること」ですが、Facebookとのシームレスな連携を実現。「Facebookは世界一の写真共有サイトだ」という人もいるくらい、写真とFacebookは切っても切れない関係にあるだけにAppleは相当気合いを入れてきた模様。写真の顔認識機能とFacebookのアドレス帳が連動したり、Facebookで投稿した写真にコメントがついたらiPhoto上からそのコメントを見ることができたりと、「Facebookのための写真アプリ」といっても過言ではない連携っぷり。写真はSocialで楽しむ時代ということでしょう。
あと毎回使うものを唸らせてくるのがスライドショーの新エフェクト。今回の新エフェクトを一通り見ましたがどれも出色の出来。旅番組風にGoogleマップと連動したものや、モビールのように写真がぶら下がっているもの、プリントした写真をまき散らしたようなものや、iPadでおなじみのOrigamiエフェクトまでどれも完成度が高い!個人的には白ホリバックに写真が浮かんでいる「反射」というエフェクトが非常に綺麗に感じました。今までより圧倒的にクオリティ高いです。個人的にはここも"燃え"ポイント。
ほかにもメール添付用の画像を勝手に整形してくれたり、フォトブック作成画面のクオリティがすごく高かったりと、iPhotoの作り込みに関してはスタンディングオベーションしたくなるレベルです。写真はほんと、共有してなんぼですね。
iMovie'11 - トレイラー作成機能が楽しすぎる!!

前回YouTube用動画作成ソフトとして劇的変化を果たしたiMovie。音声が波形で見えたり音量調整が直感的で分かりやすくなったり映像の顔認識機能があったりと、ちゃんとツボを押さえたアップデートをしているのですが、それよりも今回のアップデートの中で一番面白いのが「トレイラー作成機能」。映画館で映画が始まる前にやってる予告編みたいな映像が簡単に作れる機能なんですがこれが面白い!テンプレートがいくつかあるんですが、そのストーリーボードに自分が使いたいシーンをドラッグアンドドロップするだけで簡単にそれらしいトレイラーができてしまう優れもの。ここにサンプルがたくさんあるんでそれを見てもらえばわかると思うんですが、妙に大仰な感じがして笑えますw これはもりあがるだろうなぁ。今回からYouTubeだけでなくVimeoやFacebook(ここでも!)での共有も可能になってるのもポイントですね。
iLife製品のアップグレードはあとGarageBandもあったんですがここで特筆することはそんなにないので省略。とりあえず娘にピアノを覚えさせたい人は、でかいピアノも買わないで先生も雇わないで、とりあえずiLife '11買っておけば幸せになれる気がします。iLife '11は4,800円。アップデートが3本に絞られたため価格も安く。逆に今回アップデートされなかったiDVD、iWebは時代に取り残された形になりました。その役目は全てWebサービスが持っていったということなんですね。
またiPhone 4で華々しくデビューしたFaceTimeのMac版アプリも近日公開とのこと。
Mac OS X Lion - Mac OSとiPadのコラボレーション
私も近い将来、Mac OSとiOSが合体する日が来る、とは思っていました。しかしまさかこんなに早くだったとは…今回のテーマ "Back to the Mac" とはiOSで培った発想を再びMacに還元しよう、という意味。それはつまり、Mac OSの次期バージョンが目指すのは、Mac OSとiOSの融合。ネコ科の絶対王者、Mac OS X Lionの登場です。

iOSの特徴の一つは自由にアプリが追加できるApp Store。こんなに便利なのだからMacでもそれを実現しよう、というのがMac App Store。Mac用のアプリケーションの購入、ダウンロード、インストール、アップデートが何も意識しなくてもできる。そしてもちろんアプリケーション開発者はここで自分の作ったソフトを販売することができる。どうやらiLife系ソフトもここからダウンロード購入できるようになるみたい。これでMac用ソフトから事実上パッケージという概念が消滅するのかも。

そしてiOSの顔、といえばAppアイコンが整然と並んだホーム画面。わかりやすいから、これもMacOS Xに組み込みましょう、ということで生まれたのがLaunchpad。挙動としてはまったくiPhoneやiPadのものと同じでダウンロードしたアプリや好きなアプリを自由に並べておける。フォルダ機能も完備。"第二のDock" ともいえる機能、というかもうDock要らない!? Dockは起動中のアプリを表示する意味もあるので、iOSのマルチタスク表示と被るものがありますね。
そしてさっきのiPhoto '11が伏線になってますが、アプリケーションのフルスクリーンサポート。iPadのように一つのアプリで大きな画面全体を使いましょう、と。シンプルな発想ながらアプリケーションによっては効果的でしょう。

しかしフルスクリーンのアプリに、Mac OS XではおなじみのExposé、Dashboard、Spacesといった画面を切り替えたりする機能がぶつかってもうしっちゃかめっちゃかになっちゃわないの?と思うところですが、Appleは既に先回りしていました。Mission Controlはそれらのウィンドウを全てアプリケーションごと、画面ごとにグループ化して、"一目で" 全てが把握できるようにするための機能。簡単にいうと、更に上のレイヤーから俯瞰する、といったところでしょうか。確かに現状のExposéはもちろん便利なんですが、Mission Controlを見たとき「あ、これがベストじゃん」と素直に思いました。本当によくできていると思います。OSとはスクリーンのデザインなんだなと改めて思い知らされました。
Mac App Storeは3ヶ月以内に公開(本当か〜?)、Mac OS X Lionは来年夏発売予定。ついにMac OS Xから数字のバージョン表記が消滅しました。これからMac OS XとiOSは深く交わっていくことでしょう。そのときはライオンどころの話じゃなくなっているかもしれませんね。
11.6inchと13.3inchの最薄兄弟・新MacBook Air

今回のOne more thingは大方の予想通り、新型MacBook Air。「Mac OS XとiPadを掛け合わせたように、MacBookと iPadを掛け合わせたらどうなるか」がテーマ。軽く、薄く、長時間駆動、長時間スタンバイ。それを実現するための最大の特徴はiPhoneやiPadと同じようにストレージを完全固定にしたこと。固定し気にすることでSSDの容器の大きさも重さも全面カット。デザインはMacBook Proのエッジの効いたラインを採用。アクセスポートのカバーまで排した非常にシンプルな造形。しかしわずかに全体に湾曲を帯びているところがMacBook Airのアイデンティティを感じさせる。
外部インターフェースもMagSafe電源、Mini Display Port、左右にUSBを1基ずつ、無線LANにBluetoothと非常にシンプル(13inchモデルはSDカードスロットあり)。そしてこれだけ薄いため性能もCore2Duoの1.4〜1.6GHz(11inch)ないし1.86〜2.13GHz(13inch)とかなり限定的なものではある。が、もう用途によってはこれだけでもう十分なのはみんなが一番よく知っているはず。SSDが標準搭載なのも(おそらく)性能的にはいい方向に効いているだろう。
そしてMacBook Airでは初めて11.6inchの一回り小さいモデルも登場。engadgetにも手に取ったところとかの画像が載ってるんだけど、これが超かわいい。そして価格が88,800円からスタートするのも重要なポイント。これは欲しくなる…!
じゃあこれ何に使うの、という話になるんだけど、性能から考えて、ウェブブラウザやiWorkの利用がメインになってくるでしょう。iPadではまだ適したアプリがないWordやExcelのようなアプリはやっぱりMacで、ということになるでしょうから。iLife製品群をバリバリ使うにもストレージ容量が小さいですしね。
用途から考えても、「やっぱりAirはAppleが作ったネットブックだったんだ!」ということになるでしょうが、画面は小さくても解像度はしっかりあげてくるあたり、「ただのネットブックじゃない、使えるノートを作りたいんだよ」というAppleの意思を感じます。
個人的にはこれPCDJとかやるには最高じゃないのとか思ったり。間違いなく荷物軽くなりますから。(だれかRaw-Fiに持ってこないかなー…)
コンピューティングの形が変わる転換点、それが今。
近年のコンピューターの進化において、iOSは非常に大きな影響を与えた。モバイルの進化はiOS抜きでは考えられない現状が今ここにある。それだけ強力な存在であるのならばMacにもその影響が及ぶのは当然と言える。iOSは人とコンピューターとの間の敷居を一段と下げることに成功した。iPadもMacBook Airも紙に近づいている。それはとても薄いという意味でもあるし、人間にとって優しい存在であるという意味でもあります。そしてデスクトップOS、デスクトップPCの進化はまだまだ終わらない。ちょっと安心しました。


