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iPhone 4発表。

2010.06.08 Gadget

iPhone 4が発表されました。想像以上のアップデートが施された新iPhone。改修点が非常に多いためAppleが考える「よい携帯の条件」とは何か、そこに照らし合わせつつ、今回のアップデートを追います。

1.プロダクトとして優れたデザインであること

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プロダクトである以上、ものとしての美しさは追求されなければなりません。既に各方面に流出していたデザインのため、もはや目新しさもないかもしれませんが、詳細に見るとその作りの細かさに驚かされます。今回は前面だけでなく背面もがガラス仕様に。外装部分にまでガラスパーツを使うのはAppleでも初めての試み。iPhoneのアイコンでもあった周囲を囲うステンレスパーツは表面がつや消しになり側面を覆っています。また完全にステンレスパーツが周囲を囲わず、前後のガラス面が飛び出ているのも美しい。否定的意見も多かった3カ所の「黒い線」はアンテナの役目を果たしている模様(※これを書いていた当時かなり朦朧とした状態だったので適当に書きましたがここが非常に重要だったりします。詳しくはコメント欄を!)。ここら辺にデザインと機能を摺り合わせる苦心が見て取れます。数字に表れるデザインとしては薄さが3mm減少して9.3mmに、横幅は3.5mm減少して58.6 mmに。薄くソリッドなデザインは見た目だけでなく数字にも表れています。これまでのiPhoneは横幅が大きく、女性が持ちにくいと揶揄されるケースもありましたが、その改善にわずかながら貢献しているかもしれません。

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Apple - iPhone 4 - View photos and images of iPhone 4(ギャラリーページ)

カラーリングは今回も黒と白の2種類。白はiPhoneでは初めて全面も含めて白いカラーリング。やはり見慣れているせいなのか、形状が角張っているなのせいか、今回ばかりは黒の方が似合って見えるようにも思えましたが、engadgetなどのフォトレポートを見ると白いiPhone 4のほうが圧倒的にかわいい。黒はセクシー、白はキュート。私は白派ですね。

2.画面が美しいこと

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携帯にとってずっと眺めている画面は命です。ほぼ画面しかないiPhoneならなおのこと。iPhone 4はRetinaディスプレイ(Retinaはドイツ語で "網膜" の意味)と名付けられたディスプレイを採用。驚くべきことに旧iPhoneの4倍の画素数、3.5inch 960×640pxのIPS液晶が使われている。326ppiという印刷物並みの画素密度。小さい文字もくっきりはっきりと見え、さらにiPadにも採用されたIPS液晶なので視野角も広い。現地中継の映像を通してもわかる美しさ。常に見る、しかもiPadよりも「がんばって見る」必要がある携帯の液晶だからこそクリアであるべき、というのがAppleの考えかもしれない。

しかし高解像度ディスプレイといえば日本も負けていない。この富士通の携帯なんか960×480pxの高解像度。でも日本の携帯に決定的に抜け落ちているのはその性能がいかせていないということ。多くの携帯が昔ながらのビットマップフォントを採用し、アンチエイリアス能力もiPhoneには及ばない。画面に表示するアイコンも大昔に作った小さなものをそのまま流用しているから何を示したアイコンなのかさっぱりわからない…写真や映像を見るときこそ大活躍だがメールやネットをしている時間の方がよほど多い。余談ではあるが日本の携帯こそ美しい日本語が使えるようになってほしいと思っているんだけど…iPhoneの綺麗さにはまだまだ届きそうにない。

ところでiPadで絶賛活躍中の書籍アプリiBooksもiPhoneに登場。iBooks自体もメモが残せるポストイット機能や、しおり機能、PDFが読める機能(これは大きい、というか最初から対応するべきなくらい重要!)が追加されてパワーアップ。解像度が上がったiPhone 4なら書籍アプリの活躍の場も広がりそう。

ちなみに「画面解像度が大きくなっちゃったら今までのアプリとかどうなるの?ちっちゃく表示されちゃうの?」と不安になるところだが、Appleの説明曰く「今までのアプリはiPhone 4用に "綺麗に" 拡大するから気にしなくてOKです」とのこと。iPadは本当に単純に拡大しただけだったけど、iPhone 4では文字とかは綺麗にレンダリングし直されて拡大されるのかもしれませんね。


3.使いやすいこと、きびきびと思い通りに操作できること

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使っていていらいらしない、携帯だけに言えることではないけれど非力な携帯の場合は特に重要になる要素。iPadで使われたA4プロセッサと新しいOS、以前紹介したiOS 4(iPhone OS 4から改名)のおかげでこれまでのiPhone以上に使いやすさが向上している印象。レスポンスが速いだけでもイライラは圧倒的に解消されますから。更に実測してみないとわかりませんが、iPhoneの最大の弱点であるバッテリーの持ちもかなり改善された模様。

操作性という意味では加速度センサーだけでなくジャイロスコープが追加されたのも大きな変更点。Wiiスポーツ リゾートを遊んだ人ならわかると思いますが、付属のWiiモーションプラスを付けただけで、操作感が大きく変わったと思います。そのWiiモーションプラスに入っていたのがまさにそのジャイロスコープ。手をひねるような回転方向の動きにも対応することで、自然な動きをiPhoneが感じ取れるようになるわけです。このゲームのようなインタラクティブコンテンツに力を発揮してくれそうな改良は、ここのところ任天堂すらもライバル視するようになったAppleのゲーム戦略の一環、なのかもしれません。

4.美しく記録が残せること

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iPhone 3GSでだいぶ改善されたとはいえ、まだまだ非力だったカメラ機能もパワーアップ。500万画素、しかも今何かともてはやされている「暗いところにも強い」裏面照射型CMOSセンサー。更に暗いところでも撮影できるようにLEDフラッシュ(Adobeの…ではなくてね)を搭載。暗くてもいつも明るく振る舞ってくれるのが今回のiPhoneのよう。

そして静止画だけでなく動画もすごい。720pハイビジョン動画が撮影可能に。いやもうここまでくると日本の携帯並み、というかデジカメレベル。…しかし日本の携帯にもデジカメにもほとんどできないことがiPhoneではできたりするのです。それは高度な映像編集機能。

iMovie for iPhoneの登場です。Mac用のiMovieに近い操作感。ケンバーンズエフェクトのようなトランジションもiPodライブラリに入っている曲をBGMにすることもできる。「でもこの手のアプリってどうせ重いんでしょ…」うん私もそう思ってたんですけど、どうやらかなり動作が速い。現場を中継していた男の人が「俺のMacで編集するより速いかも」とまで言ってしまうほど。もちろん出来上がったファイルはYouTubeにアップすることも可。iPhone用Ustreamが出て生放送が変わるね、なんて言ってたけどもう編集まで変わっちゃうよ。ちなみにiMovie for iPhoneは$4.99ダウンロード可能になる、とのこと。

5.美しく伝えられること

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iPhoneが携帯電話である以上、コミュニケーションツールとしての機能は欠かせません。日本では既に常識レベルだったテレビ電話機能がiPhoneでも使えるようになります。正式名称はFaceTime。iPhoneのあの操作感でテレビ電話ができるわけですからさぞいい感じに…

ところがこのFaceTimeの利用にはそれなりの制限がつきます。まず使いたい人同士がiPhone 4を持っていなければならないこと。まこれはしょうがないでしょうし、いずれはiPadにカメラがついて…とかも考えられそうです。一番問題なのはWi-Fi接続のときにしかこの機能が使えないこと。つまりは屋外ではほぼ使用できないわけで。しかしいつものAppleお得意の「できるけど今は別に必要なくない?」的な逃げではなくどうやら「通信会社(AT&T)がOKを出さない」せいでらしい。奇しくも(いや必然か)AT&Tがパケット通信無制限定額をストップすると発表したばかり。iPhoneの最後の敵はGoogleでもAdobeでもMicrosoftでもなく、通信会社だ。

しかし携帯テレビ電話なんて全く存在しなかったアメリカならさておき、10年前から既にDoCoMoがテレビ電話を実現している日本でできないわけがない。私はSoftbankの孫さんに言ってほしい。「FOMA程度の画質になるかもしれませんが、Softbankは世界に先駆けてFaceTimeの3G利用を許可します」と。これこそアメリカより進んだガラパゴス日本の力を見せつけるチャンスだと思うんですが。孫さん、今こそ「やりましょう」の使い時じゃないですか?


iPhone 4はあっという間に手に入る

日本でのiPhone 4の発売は6月24日。予約は6月15日から。日本での価格はまだ不明ながら、アメリカでは16GBモデルが$199、32GBモデルが$299という「デジカメかよ!」と突っ込みたくなるような衝撃価格。そして3G電波でテレビ電話が使えないのはiPhone自体の責任ではない、と考えればiPhone 4の失点はきわめて少なく、iPhone 4は「買わない理由はない、はっきり言って買うべき」。iPhone 3Gを我慢しながら2年使ってきた人はの買い替えはまず間違いないでしょう。


こんなにすごいiPhoneに対してiPadの立場は…?

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想像していたとはいえ、それでも非常に高いiPhone 4のスペックを前にiPadは霞んでしまうかもしれない。iPadとiPhoneの大きな違いはその画面の大きさだろうが、こと解像度に関して言えばiPhone 4のRetina ディスプレイはiPadの約78%分の解像度であり、実働部分でiPadのアドバンテージはほとんどないと言っていい。であればiPadの存在意義は何なのか。

大きさである。デジタルな世界に埋没するあまり人がいつの間にか忘れてしまうこと、それは自分の大きさだ。もし手元にiPhoneがあれば、両手をiPhoneの上に乗っけてみてほしい。おそらく、というかほぼ間違いなく、両手は乗りきらない。片手ですら収まらないだろう。ではiPadではどうか。すっぽりと両手が収まる。一回り大きいくらいだ。かたや片手も収まらないデバイス、かたや両手がすっぽりと収まるデバイス。操作できる範囲、細かさ、大きさが違うのは明確だ。タッチインターフェースを用いた操作に関してはiPadは圧倒的な自由度を持っている。

初代iPhoneが生まれたのは3年前。3年かかってiPhoneはここまで成長した。一方iPadは生まれて2ヶ月ほどのひよっこ。中二病的に言えば「まだ覚醒していない」。まだiPadのソフトを作る人もソフトを使う人もまだそのインターフェース、広大なタッチパネルを理解するに至っていない。Appleの人すらまだ完全に理解していないかもしれない。

iPadの成長を共に見守りつつ、今はiPhone 4の完成を喜ぶときだ。3年でここまで成長できる。iPhone 4はそれを教えてくれる。

映画「告白」 - 人は自分にすら嘘をつき、人は片面しか見ることができず、人は平気で正義を下す。

2010.06.07 Movie

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映画『告白』公式サイト

原作小説未読、予備情報ほぼ0のまま鑑賞。

とある中学校の教室から物語は始まる。ホームルーム中だというのに教師に構わず席を立ち、大声で喋り、ものを投げ、携帯を使い、大騒ぎをする生徒たち。学級崩壊。使い古されすぎてあまりにもチープになってしまった言葉が頭を過る。猿じゃあるまいし。異常だ、このクラスは。しかし担任の女性教師である森口はそれを止めるでもない。教師なのに。教師なのか。教師って。そして彼女はただ淡々と「告白」を始める。自分があと1ヶ月で教職を離れること。自分には娘がいたこと。娘は週に一度学校で自分の仕事の終わりを待っていたこと。その娘がある日プールの中で死体として発見されたこと。娘が死んだのは事故ではなく誰かに殺されたこと。そして、娘を殺した犯人はこのクラスの中にいること。

その後も生徒やその親といった関係者からの告白が続き、各々の視点からこの事件の全貌が浮かび上がっていく。

この映画はそれぞれの告白を通して「視差」を描いている。被害者の親、加害者、加害者の親、加害者の同級生。それぞれの視点によって異なる「事実」。ロールシャッハ・テストの結果は性格や心情によって大きく異なるだろうが、この告白の場合問題なのは各自が自分の内にも、外にも嘘をついていることで事実は更に歪んでいく。「真実」はたった一つしかないのに。いや、本当にたった一つしかないのだろうか。

この映画の映像はとても美しい。さすが中島哲也監督だけあって、まるでCMのような美しいシーンが連続する。中学生も、教室も、グラウンドも、私たちが知っているものなのにまるで。嘘みたいな世界。私たちがよく知る世界にも、見方を変えるだけでこんなに美しい世界がある…我々は常日頃物事の片面しか見ておらず、知っているようで知らない世界がこの世界に存在すること暗示しているかのようだ。

今作品の登場人物は皆異常である。少なくともそのように見える。自らの苦境から逃れるために人を殺す加害者。加害者を悪と見なし徹底的にいじめる生徒たち。加害者の親は我が子の正しさを確信し、被害者の親は心に復讐の火を灯す。とてもじゃないがまともではない。普通ではない。しかし普通とはなんだ。普通ではないと言う以上は、普通が、正しい世界がどこかに存在するということだろう。では正しい世界は誰が決めるのか。誰も決められない。各々の告白の中では誰もが自分の正しさを主張する。自らが正義であると。もし全てが見通せる完全に中立な存在があったとしたら(神様のような)、彼らの正義を認めることはできるのだろうか。おそらくできない。お互いの主張は中和され、正義も悪もなくなってしまう。人は全てが見えないからこそ、正義を振るうことができる。

例えばブログが炎上したとき。捕まえることも裁くこともできない人間が義憤にかられてブログ主を攻撃する。そのブログを攻撃し、炎上させた "彼ら" はことのすべてを見ていたのだろうか。全てを知った上で攻撃しているのだろうか。会ったことも見たこともない人間に躊躇なく正義の鉄槌を下せてしまうのは、「知らないから」じゃないのか。むしろ知れば知るほど判断が鈍っていく。アンパンマンがバイキンマンの気持ちを知ってもなお殴れるとは思えない。それでも正義を為そうとするならば…自分の向こう側に広がる世界に対して、見て見ぬフリをするしかない。他人に、自分に嘘をついてでも。

被害者の母である森口は一度がっくりと膝をつき、気づいてしまう。己がかざそうとしてる正義の脆さ、無意味さに。それは彼女が正常な人間であるという証であり、しかしそれでもなお目をつぶり己が正義を貫こうとする彼女もまた正常である。

   なーんてね

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