Yahoo!JAPANのアクセスを支えるのはクリックしたくなる13文字の言葉。「ヤフー・トピックスの作り方」
2年前くらいになるか、@takesiに「FICCに入りたいっていう人がいたら何を基準にするか?」と聞かれて私は「Googleのすごさじゃなくて、Yahoo!のすごさが答えられる人がいい」と答えた記憶がある。実は同じ大学だった阿部君に「以前にフクオカさんがYahoo!のことを話してもらって」と言われたこともあるので私は同じネタを延々6、7年は使い回していることになるらしい。
いや何も私はGoogleよりYahoo!JAPANがすごいんだと言っているわけじゃないんです。Googleの検索を使わない日はない、ロケーションの確認は必ずGoogleマップ、Gmailが自分の標準メールアカウント…Googleがなければ現在の生活はないし、そのイノベーションは留まるところを知らない。Googleのすごさは「機械力」と言えましょう。

では私が思うYahoo!JAPANのすごさは何か?一言で表すなら「人間力」。そしてその人間力が最も活かされ、且つYahoo!JAPANの大きなアクセス源である、13文字×8行のニュース領域「ヤフー・トピックス」。ということで前置きが長くなりましたが、このヤフー・トピックスの編集者で元読売新聞記者でもあった奥村倫弘氏による「ヤフー・トピックスの作り方」を読了。どんなにGoogleニュースが精度も情報量も凄くても、ヤフー・トピックスには敵わない。13文字×8行の洗練されたタイトルの魅力、ネタの即時性と安心感、ヤフー・トピックスの「クリックしたくなる度」はとても高い。最近ではmixiニュースのような他のサイトにもこのトピックスの要素が散見されるが、その元祖とも言うべきヤフー・トピックスが作成される舞台裏、13文字でまとめるコツ、そしてWeb時代のニュースのあり方を奥村氏の視点からまとめた一冊になっている。先に言っておきますが、決して「ヤフトピに紹介される方法」や「ヤフトピみたいなタイトルが書けるようになる方法」が書かれているわけではなく、How to本というより純粋な読み物になっていると思ったほうがいいでしょう。しかしYahoo!Japanが培ってきた「人間力」を垣間みるにはぴったりな一冊。
確かにWebの世界は技術が大きく関係している世界ですから、Web畑にどっぷりと浸かっている人ほどテクノロジーを重視する傾向が強い。確かにロボットはすごい、でも僕らはロボットじゃないんです。SEOも大切ですが、人の目を惹くタイトルもまたWebサイトにとって重要なのです。だってたくさんのリンクの中からどれをクリックするかは僕らが決めることなんですから。Twitterだって同じ。たくさんのつぶやきの中で目にとまるのはその文章が、読む人の目に留まったからです。Googleのようなサーバーがなくても、美しいFlashがなくても、高度なマークアップがなくても、人が考え紡ぎだす言葉には人を惹き付ける力が十分にある。これが人間の力です。
今アメリカではGoogleとFacebookの戦いが始まっています。これもまさに「機械力」VS「人間力」の戦いと言えるでしょう。日本でのYahoo!の検索シェアが未だにGoogleに勝っているのは、Yahoo!BBの他にもトピックスを中心としたコンテンツの影響が大きいと思います。
そして最後に最も大切なのはその人間力を人間のために、つまりユーザーの為に使わなければならないということです。本書にもまとめられている通り、いわゆる「釣り記事」のようにアクセス数だけを稼ぐために使ってはいけない。記事の質は低下し、ユーザーの時間を無駄に割くばかりか、ユーザーからの信頼すらも失いかねない行為です。数字が大切なのもわかります、が一番大切なのは一人一人のユーザーの満足。やっぱりうちら、人間ですから。
