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人とコンピューターとの距離が近づくとき。

2010.05.28 Text

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「電脳コイル」の世界を目指して

私が電脳コイルを一時期猛プッシュしていた(今もレコメンドしてますが)のは理由があるのです。電脳コイルの世界で使われている「電脳メガネ」に人とコンピューターの関係の未来を見たから。メガネを通して見える景色に情報が上書きされ、まるで情報が現実の世界にあるかのように "手に取って" 扱うことができる。今よりもずっと人とコンピューターの距離が近づき、もっと自然にコンピューターを扱えるようになる未来の話。まだきそうもない未来だけど、その遥か前の一歩を僕らは踏み出そうとしている。

ということで、今日は記念すべきiPadの日本発売日という特別な日。でもiPadのことについて詳細に書くつもりはありません(発表のときに一度まとめたしこれから書くこともけっこう被ってるんだけど)。実際に便利なのかどうかとか、どれくらい売れるのかとか、ビジネス的にどうこうとかつまらない話はしません。あとiPadがどんなものか知りたい人は直接iPad触ってください。どんなものかは触ればわかります。なので今日はiPadから始まる未来の妄想にお付き合いくださいませ。

今までのPCの操作方法はまるでUFOキャッチャーではないか

さて、iPadは何が新しいのでしょうか。iPadが新しい点、それはただ一つ。指で画面に触って自然な形でコンピューターを扱えるようにしたことです。私たちは今までPCを操作するときは主にマウスを使っていました。厳密に言えばマウスで画面の中のカーソルを操作し、PCに命令を送っていました。私たちはこの操作方法に何の疑問も持っていませんでした。

しかしおかしな話です。これだけPCのスペックが向上し、様々な処理が一度に処理できるような力を得たにも関わらず、マウスという不思議な装置を使って、カーソルの先端たった1pxを移動させて操作している。まるで食卓の上の醤油さしを、UFOキャッチャーを使って取ろうとしているかの冗長さではありませんか。普通醤油さしを取るときそんなことはしません、自然に手で掴んでいるはずです。そう、私たちとPCとの間にはまるでUFOキャッチャーの機械のように、透明な隔たりがある。不自然な距離感。2人が恋人同士ならそろそろギクシャクしてもおかしくない距離感で私たちとPCは結ばれている。あまりにも長い間その関係が続いたから、その不自然さには誰も気がつかなかった。でもiPadは違う。触るだけでいい。傾けるだけでいい。今までと違って圧倒的に近いんです、我々とコンピューターの距離が。

今思えばPCの "デスクトップ" なんて概念も距離が離れているが故に作られた幻に思えてくる。PCの中というのは現実世界を歪んだ形でコピーした不思議の国だったのかも。

「アニメじゃない 本当のことさ」(ZZ)

例えばプリントを手渡しするように、電子データを簡単に共有することができたら。誰もがもっと自然に、能率的にコンピューターを操ることができたら。じゃこの道の先には何が待っているのか。iPadの先にある未来は。私の妄想を図にまとめてみました。

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非常にアニメアニメした説明で恐縮ですがこれが「コンピューターとの人との距離が極限まで近づいていく図」です。(別にフクオカさんの頭がおかしくなった訳じゃないよ!w)。現在は2010年、iPadの年。そして今後十数年をかけて、体の動きや画像認識、音声認識による「人間の活動を用いたコンピューターの操作方法」が成熟していく。

実はここで地味に重要なのは「画面の大きさ」です。iPadはiPhoneがただ大きくなっただけじゃないか、なんてよく言いますが、ディスプレイが大きくなるだけでもできることは格段に増えます。世の中の人がみんなマッドハッターのように手先が器用だったら何の問題もないんですがそうもいかないわけで。手先をフルに使って操作しようと言うのであれば間違いなく手よりも大きな操作画面が必要です。じゃ、その考えでいけば手先だけではなく身体全体を使ってコンピューターを操作するとなると…よほど大きなディスプレイが必要ですね。冗談のようだけどそれこそiMatみたいな。でもさすがにiMatは持ち運べませんからそこで電脳メガネの登場です。電脳メガネさえあれば視界が全てディスプレイになる。6月公開の映画IRONMAN2なんかまさにその世界ですよ。

で、これ以上の究極形となると電脳化ですが、これこそいつの話になるか…ま本当にこんな世界がやってくるかどうかはわからないけど、でもそんな未来でもきっと、人とコンピューターの距離を縮める最初の一歩を踏み出したiPadの存在は語り継がれていく。そして私たちがiPadの向こう側にある世界にいつかたどり着く日が来るって考えたら…ワクワクしてきませんか?

Yahoo!JAPANのアクセスを支えるのはクリックしたくなる13文字の言葉。「ヤフー・トピックスの作り方」

2010.05.06 Book

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2年前くらいになるか、@takesiに「FICCに入りたいっていう人がいたら何を基準にするか?」と聞かれて私は「Googleのすごさじゃなくて、Yahoo!のすごさが答えられる人がいい」と答えた記憶がある。実は同じ大学だった阿部君に「以前にフクオカさんがYahoo!のことを話してもらって」と言われたこともあるので私は同じネタを延々6、7年は使い回していることになるらしい。

いや何も私はGoogleよりYahoo!JAPANがすごいんだと言っているわけじゃないんです。Googleの検索を使わない日はない、ロケーションの確認は必ずGoogleマップ、Gmailが自分の標準メールアカウント…Googleがなければ現在の生活はないし、そのイノベーションは留まるところを知らない。Googleのすごさは「機械力」と言えましょう。

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では私が思うYahoo!JAPANのすごさは何か?一言で表すなら「人間力」。そしてその人間力が最も活かされ、且つYahoo!JAPANの大きなアクセス源である、13文字×8行のニュース領域「ヤフー・トピックス」。ということで前置きが長くなりましたが、このヤフー・トピックスの編集者で元読売新聞記者でもあった奥村倫弘氏による「ヤフー・トピックスの作り方」を読了。どんなにGoogleニュースが精度も情報量も凄くても、ヤフー・トピックスには敵わない。13文字×8行の洗練されたタイトルの魅力、ネタの即時性と安心感、ヤフー・トピックスの「クリックしたくなる度」はとても高い。最近ではmixiニュースのような他のサイトにもこのトピックスの要素が散見されるが、その元祖とも言うべきヤフー・トピックスが作成される舞台裏、13文字でまとめるコツ、そしてWeb時代のニュースのあり方を奥村氏の視点からまとめた一冊になっている。先に言っておきますが、決して「ヤフトピに紹介される方法」や「ヤフトピみたいなタイトルが書けるようになる方法」が書かれているわけではなく、How to本というより純粋な読み物になっていると思ったほうがいいでしょう。しかしYahoo!Japanが培ってきた「人間力」を垣間みるにはぴったりな一冊。

確かにWebの世界は技術が大きく関係している世界ですから、Web畑にどっぷりと浸かっている人ほどテクノロジーを重視する傾向が強い。確かにロボットはすごい、でも僕らはロボットじゃないんです。SEOも大切ですが、人の目を惹くタイトルもまたWebサイトにとって重要なのです。だってたくさんのリンクの中からどれをクリックするかは僕らが決めることなんですから。Twitterだって同じ。たくさんのつぶやきの中で目にとまるのはその文章が、読む人の目に留まったからです。Googleのようなサーバーがなくても、美しいFlashがなくても、高度なマークアップがなくても、人が考え紡ぎだす言葉には人を惹き付ける力が十分にある。これが人間の力です。

今アメリカではGoogleとFacebookの戦いが始まっています。これもまさに「機械力」VS「人間力」の戦いと言えるでしょう。日本でのYahoo!の検索シェアが未だにGoogleに勝っているのは、Yahoo!BBの他にもトピックスを中心としたコンテンツの影響が大きいと思います。

そして最後に最も大切なのはその人間力を人間のために、つまりユーザーの為に使わなければならないということです。本書にもまとめられている通り、いわゆる「釣り記事」のようにアクセス数だけを稼ぐために使ってはいけない。記事の質は低下し、ユーザーの時間を無駄に割くばかりか、ユーザーからの信頼すらも失いかねない行為です。数字が大切なのもわかります、が一番大切なのは一人一人のユーザーの満足。やっぱりうちら、人間ですから。

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  • AKIRAFUKUOKA(福岡 陽)
  • FICC inc.所属。Flashコンテンツ開発担当、でもデザインや企画まで手がけることも。
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