明日の発表でどうなる、iPod。旧来のiPodはもう限界だ。
ウォークマンは古い。がiPodはもっと古い。

日本時間の明日、9月10日午前2時から、Appleの新製品発表会が行われます。事前に流出した情報から、カメラ付きiPod nano、iPod touchが登場することは確実と見ていいでしょう。
そして時を同じくして、iPodの国内販売がウォークマンに破れる、というニュースが流れました。音楽プレイヤー市場は飽和状態、iPodを早くから支えてきた層は既にiPhoneに移行し、これまで音楽プレイヤーに飛びつかなかった層(特にこだわりがない方たち)が低価格・高機能を売りにしたソニーの機種を購入しているということでしょう。日本ではAppleよりもソニーの方が「名が知れている」メーカーですし。さて今回の新製品発表でiPodはウォークマンに勝利し、再び王者に返り咲くのでしょうか。おそらく、一時的にシェアを奪い返すことは可能でしょう。うまくいけば再びiPodの天下がやってくるかもしれません。しかしAppleはそれでも喜ばないでしょう。なぜか。先ほど言った通り携帯音楽プレイヤーの市場が飽和状態だから、販売台数全体が落ちてくるからです。規模が小さくなればシェアをいくらとっても…という話になるでしょう。そしてもう一つ、旧来のiPodはもう古いからです。
iPod nanoは古い。がiPod touchは新しい。

iPhoneの機能の一つに「iPod」があります。既にiPodは機能の一つでしかないのです。iPodはこれまで写真や映像、Podcast再生といった新しい機能を追加していきました。しかしその機能たちも単なるメディアプレイヤーの枠を超えるものではありません。iPhoneや高機能な携帯電話が当たり前になった時代、iPodは「再生しかできない
機械」になってしまいました。今の携帯機器に重要なのはネットワークです。つながること、広がること、新しくなること。それを獲得できなかったiPodはもっと高機能な携帯機器の一機能に成り果てました。
Appleの本心としてはiPod nanoよりもiPod touchのほうを売りたいです。iPod nanoは確かにiPod全体の売り上げを支える屋台骨でありますが、所詮「iPod」。もはやユーザーに新しい体験を与える機械ではない。売り上げが減少していくiPod nanoから、アプリケーション販売による収益増加・新しいユーザー体験を提供できるiPhone、そしてiPod touchへユーザーの移行を促すのがAppleに現在課せられたミッションです。Appleはおそらく今回の発表でiPod nanoとiPod touchの差を小さくし、nanoからtouchへのアップグレードする際の障壁を小さくしようと画策しているはずです。nanoにもtouchにもカメラが載るのはおそらくそれが理由でしょう。
その流れを加速するためにiPod classicの廃止、iPod touchの名称をtouchを抜いた「iPod」に変更、といった手をさらにAppleが打ってくるのではと思ったのですが、事前情報を見るに名称変更はなさそうですね。しかし「いつかくる未来」だと私は思います。
「何台売るか」ではなく「何台買い替えさせるか」
もちろん我らが日本代表・ソニーにはがんばってほしいと思います。しかしウォークマンが勝ち取ったと思った場所は実は既に空き家だったのかもしれません。ウォークマンは古い。iPodも古い。だからこそ今の時代の「携帯機器」をソニーには作ってほしいと思っています。元の家主であるAppleはもう「iPodを売る」ことは考えていないでしょう。「iPodからiPhone/iPod touchに買い替えさせる」ことだけを考えているはずです。