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あの夏休み観たのはやはりこんな映画だった。「サマーウォーズ」

2009.08.03 Movie

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ただただ文字に起こしてあの楽しさが説明できると思うか?

以前に女の人が観ても大丈夫なアニメ映画はこれ!!という記事を書きましたが、その中でも紹介した「時をかける少女」の細田守監督最新作、「サマーウォーズ」。公開初日の8月1日からさっそく観てきました。「破」のエントリーでtats君に怒られたので今度こそ極力ネタバレなしで書くよ!! 書きたい!!

2010年。携帯・パソコン・ゲーム機…あらゆる情報端末からアクセスできる「OZ」というmixiとセカンドライフをごちゃ混ぜにしたサービスが全世界的に普及し、あらゆる生活の基盤を担っている世界。数学オリンピックの日本代表(になり損ねた)いかにもイケてない男子高校生・健二は、あこがれの先輩・夏希から「おばあちゃんのお誕生日会をお手伝いするだけの簡単なお仕事」を依頼される。二つ返事で承諾してしまう健二だったが、実は「病気がちなおばあちゃんを気遣って夏希のフィアンセのフリをする簡単じゃないお仕事」。当主で90歳のおばあちゃん・を中心とした陣内家の家族親戚ご一同様に囲まれながらもなんとか任務完了。宴も終わった次の朝、テレビではOZの大規模システム障害のニュースが放映されていた。障害を引き起こしたの容疑者の写真はどう考えても見覚えのある顔。なんてったってそれは…


いや、このブログだと、作品のテーマを抽出して、それを軸に一本エントリーを仕上げるのがいつもの流れなんですよ。テーマをそれらしく膨らまして、自分の視点で書いていくという。今回もそんな感じで書いていこうと思ったんだけど、やっぱやめた。CMでも言っている通りこのお話には、家族や親戚の絆、ネットの脆弱性と可能性といったものが織り込まれているんです。でもね、そこ広げたってこの映画の魅力はぜーんぜん伝わらないと思うんですよ。

一言で言うことこの映画は底抜けに楽しくて、ポジティブで、爽快な夏休み映画なんです。私はセンター北の映画館で見ましたが、上映時間ずっと笑い声が絶えなかった。私自身もニコニコしっぱなし。きっと他のお客さんもそうだったんじゃないかな。アニメ映画で個人的には初めてです。こんな経験。

誇張でなく本当に表情豊かな家族たち

この映画は陣内家がある長野県上田市と仮想世界OZを行ったり来たりするわけですが、OZ上の表現はアバター(実際にはこんな感じ)が担当することになります。で、アバターの演技は表情が限られてしまう(それでもめっちゃいい動きをしているんですが)。さらに困るのは世界中の声がテキストとして画面に表示されてしまうこと。Twitterのような感じですね。映画内で文章で説明するのって基本的にNGだと思うんです。図らずもOZを表現することがどうしても映画的にドライなものになってしまう。

その反動もあってか、現実世界の陣内家の人々、そして健二の表情や演技は非常に豊かに表現されています。時にあまりにまんが的すぎるかなというときもあるくらい。実際人間一人のときとたくさんの人がいるときではリアクションの数も大きさも違うでしょう。だから家族は楽しいんだよね。怒り泣き悲しみ喜び笑う。目まぐるしく変わる表情こそがこの映画一番の見所じゃないでしょうか。主人公である健二くんが "内気な少年" なので「なんだまたシンジか…」と先入観をもっちゃう人も多いようですが、映画が進むにしたがって、少しずつ凛々しく、そして家族と打ち解けていく。そもそも親戚ってすごいアバウトなつながりだったりするよね。赤の他人も結婚したらいきなり親戚になっちゃうわけだから。だからなろうと思えばいくらでもなれるものだし、親戚の輪に入っていれば健二も自然と親戚になっちゃうんだよね。それが表現されているのがただの内気な少年じゃない、健二くんの特徴と言えましょう。

西に冴えない青年がいれば東にしゃきっとしたおばあちゃんあり…

その主人公・健二の声は神木竜之介くん。「なんだまた芸能人か…」ってみんな言いそうですがこれがまたいいんだ。すごい冴えない感じで。…いやこれむっちゃ褒めてますよ。うだつの上がらない感じが健二にぴったり。中でも一番いいなと思ったのが、一族の長・栄に夏希のことをお願いされるシーン。お願いされたからには男子たるもの大声で「はいっ!!」と言えばいいものを、うまく言えない。何度か大きく域を吸い込んで言おうとするんだけど結局下を向いて「がんばってみます…」とうなだれてしまう。あーもう健二くんわかるわかるよこの感じ!! もうおじさんなんかこんなのしょっちゅうだったから。健二くんの「イケてない表現」はバツグンにいいんです。で、吹っ切れるときもなんか弱々しいんだよw CMでも流れてる「よろしくお願いしまーす!!」もダメな奴な感じがしていいよね。でもそんな人が必死でがんばってるからこそ胸を打つんですよ。

そして忘れてはいけないのが陣内家当主、90歳のおばあちゃん栄。この映画の主役とも言えるわけですが、実に素敵な人物。特筆すべきはは世界の混乱を前にして、自分のあらゆる知り合いに片っ端から黒電話を使って励ますシーン。栄は政財界ともつながりがあり、知事褒章までもらっている実はすごい人、という設定があるので「だから偉い人とつながりがあるからできるんでしょw」と思うかもしれないけど、いや実際にできることじゃないよこれ。このワンシーンが行動力と人徳を兼ね備えた彼女の性格を見事に捉えているし、なぜこれだけ親戚のみんなが彼女のことを慕っているかという理由付けにもなっている。お見事。

あの夏休みに観た映画みたいに

ヤバい、ネタバレがちょっとずつ始まってしまった…。まだまだっ書き足りないんですけど、ここら辺にしないとみんなが引いていくから。コンピューターっていうのは結局力押しでしか物事を解決できないよね、とかヒロインの夏希は「かわいくしないとかわいくならないタイプ」だよね(だがそれがいい)とか、数々の子ネタ・コント的な展開とかもう書ききれないくらいあるんですよ。その一方で確かに荒削りな部分もある。でもこれだたくさんの要素をパンク寸前まで詰め込んで、それでも一本の映画にきれいにまとめた細田監督は素晴らしい。今、テーマ語りの部分を少し潰してでもエンターテイメントの要素に振れる人ってなかなかいないんじゃなかろうか。だからサマーウォーズはいい意味で典型的な「夏休み映画」なんです。

ほら、子供の頃、お父さんやお母さんに映画館に連れて行ってもらったことがあったでしょう。映画が終わったあと喫茶店でパンフレットを見ながら、あの場面が楽しかったね、とか話したり。あのとき観た映画と同じ楽しさがサマーウォーズにはありました。

私は一人で観に行っちゃいましたが、皆さんはぜひ家族で観に行ってください。私も家族と観に行きたかったなぁ(観たいって言うかは知らんけどねw)。

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