法則「流れ行く風景に人は郷愁を感じる」
AESTHETIC ECHO.COM

trick7さんのエントリーでAESTHETIC ECHO.COMが紹介されていまして、それに乗っからせていただいてエントリーしちゃおうかなと。AESTHETIC ECHO.COMは流れ行く景色が自動生成されていくコンテンツ。
AESTHETIC ECHO .COM BY RAFAEL ROZENDAAL
現実離れした配色と、極限にミニマルな世界が、ただ、流れていくだけ。本当になんてことはないし、別段美しい景色が流れている、というわけでもない。だけど何か心に「引っかかるもの」を感じるんですよね。きゅーっと胸の奥が縮こまるような。これは懐かしさ、というか郷愁なのか何なのか。
これはきっとこの映像を脳が「知らない場所を走る電車から見た風景」のように感じているからなんじゃないでしょうか。子どもにとって一人で乗る知らない電車は期待と不安が入り交じった極めて特殊な乗り物です。そもそも電車は自分の思い通りに動いてくれる乗り物ではありません。知らないおじさんが制服を着て運転している乗り物です。レールに沿って一方方向に走るだけ。この時点で自由が奪われている、不安です。さらに「切符」や「乗り換え」といったむつかしいシステムはさらに不安を高めます。本当に目的に付けるのか、自分の選択は間違っていないか、お金が足りなくなったりしないか…。でも目的地では友達や、親戚、家族が待っています。きっと訪れるであろう楽しい思い出の時間を目指して、少年少女は電車の外の景色を、じっと眺め続けるのであります。成長した後も、受験や上京といった場面で必ず「電車の窓からの景色」は登場するでしょう。そのときの思いが、こういった映像を頼りに思い出されているのかもしれません。
Groovisions× Cornelius「Wataridori」
個人的に「横スクロール型映像」と言えばGroovisions× Corneliusの「Wataridori」をまず思い浮かべます。
2004年の作品ですから下手すれば古典になりつつあるのかもしれませんが、アイコン的な映像の美しさと渡り鳥を主人公にしたゆったりとしたドラマがとても印象的でした。厳しい冬の大地を抜け、山を越え、海を渡り、都会までたどり着く渡り鳥達。音楽とのシンクも、さすが。
Sound × Vision 2004というイベントのために制作された映像で、このDVDに収録されています。
JAPAN CAR
もう一つ、ロンドンのサイエンスミュージアムで行われているJAPAN CARというイベントのために、映像制作会社のWOWさんが制作した映像。
こちらは電車ではなく車に関する風景ですが、真っ白いもやのなかから、木々、そしてライトが浮かび上がってきて、次第に自分たちの走っている風景が見えてきます。自然物が逢えてデジタルな雰囲気で表現されるのが映像的で面白いですね。私が一番ツボなのは途中パパパっと地面が鏡のような面で覆われるシーン。水田なんですよね。同じ景色でも切り取りかたでこうも面白くなるのかと。「減反した未来の農家は水田の代わりにソーラーパネルを設置している」みたいな勝手な未来設定を想像して一人盛り上がりしてしまいました。ミラノサローネで発表されたLights and Shadowsと対になっていて、こちらの映像も幻想的で美しいですね。
