自分から価値を下げてはいけない。だから価値を作る、価値を知ってもらう。
2008.12.19 Text
(ちょっと最近妄言が多いですが気にしないでください。典型的な現実逃避と呼ばれる行動の一部です)
Appleも低価格競争路線を進…んじゃだめ!!
来年1月のMacWorldExpoで一体何が発表されるのか…気が早い人たちは早速発表内容を予測しているようです。よく見かけるのがiPhoneの機能を限定した「iPhone nano」や今流行のNetBookのMac版を発表するのでは、という予想。「Apple信者」なんて揶揄されるような私ですから、もちろんそんな新しいデバイスがAppleから発表されるなら喜んで飛びつくでしょう。が、私はそういった発表はおそらくないと考えています。ズブの素人の予測ではありますが、Appleがそのようなアイテムを発表することに利益があるとは考えられないのです。
とりあえずわかりやすいMac版NetBookの場合を考えましょう。最近ではAsusなどの海外メーカーがこぞって超小型で超低価格(4〜7万円くらいかな)のノートパソコン、通称NetBookをこぞって発売しています。国内・国外のメーカーが現在熾烈な争いを繰り広げており、なんと今年のヒット商品番付の西の大関に選ばれるほどの加熱ぶりです(横綱不在によりなんとトップ!!)。いやはや不況の昨今、NetBookが売れる状況は続きそうです。その「売れる」NetBook。ならばAppleが作ればさらにいいものができて、ヒット商品になること間違い無し!! Appleが作らないでどうする!! と思うのも当然です。が、「売れた」からといって本当にAppleの利益になるのでしょうか。
「Mac」じゃないノートパソコンをAppleは売らない
まず、価格が安すぎます。薄利多売、とはよくいいますが、考えてみればなかなかリスキーな手法です。たくさん売れてくれればいいけど、売れなかったら在庫の山。下手すれば場所だけとって倉庫代がかかるばかりです。それに1個売るよりも10個売るのに使うエネルギーのほうが大きいに決まってます。手間だけかかって利益はようやくとんとん(かそれ以下か…)。たまっていくのは疲ればかり。これじゃあなんだか苦しそうです。
そして、NetBookはまだまだ性能が低い。Appleが売っているパソコンは、ノート型であれ、デスクトップ型であれ、すべて共通の体験が得られます。かわいくて使いやすいOS、便利なメールにインターネット、音楽を楽しむ、写真を整理し加工、音楽を作れれば、YouTubeにアップするために動画を編集することも。Appleのパソコンはどれを買ってもこれらのことがスムーズにできます。「一番安いのを買ったから、映像編集はできないなあ…」なんてことは絶対ありません。どのパソコンを買っても最高の体験ができる、それがAppleがパソコンを通して提供している価値です。しかしNetBookではどうでしょう。お世辞にも強力とはいえないプロセッサーでは写真や映像編集でストレスがたまることも多そうです。音楽や映像のデーターを入れるにも小さな記憶容量では満足できないでしょう。つまりNetBookではAppleが提供する共通の価値を体験できない可能性が高い。それはすなわち「Mac」ではない、ということです。MacでないパソコンをAppleが売ることはできませんよね…?
価値があれば、価値を理解してもらえればものは売れる
つまりAppleがNetBookを売るということはオーバーにいうと、「価値のないものを、安価で大量に売る」行為になってしまいます。世界恐慌の中わざわざ価格を上げてまでモノとしてのクオリティの高いノートパソコンを売っているAppleがそんなことをするとは私は思えません。
値下げがすべてを解決する手段ではないでしょう。でも買ってもらわないと困る。値段を下げれないなら、価値を高めればいいのです。そしてその価値をみんなが理解してくれたら、今までと値段は同じでも、その商品はきっと売れます。今の時代、「安かろう悪かろう」を身をもって体験している人も多いでしょうからなおさらです。Appleは新しいMacBookを作り込み、今必要とされている機能と環境性能をすべて盛り込みました。その上で、「お前は無印良品か!!」と言いたくなるくらい徹底的に商品のいいところを説明しました。その結果はクリスマス商戦に見事反映されているようです。微妙に切り口は違いますが価値を作り出すという意味で、マクドナルドのクォーターパウンダーやユニクロのヒートテックにも近いアプローチを感じます。2つとも景気の悪い今年後半に注目を集めた事例ですね。
経済やら株やら為替やら、とんと疎い私が言っても説得力が薄いですよねw。でもどんな業界であれ「価値をつくる」ことと「価値を理解してもらう」ことが、今こそ大切なんじゃないかと思います。厳しい勝負に勝とうとするより、新しい分野で商売した方が気楽でいい。また、既に価値のある商品を持っているならそれをみんなに知ってもらえばいい。お米の袋に"萌え絵"をプリントしたっていいじゃあないですか。きっかけは何であれおいしいお米だということを認識してもらえることが大切です。"萌え"に留まらずJAの方もまだまだできることはたくさんあるはず。
「じゃあAppleはNetBookを作らないのか」というと…?
AppleはNetBookは作らない(と思う)。でもNetBookに近いものは作る可能性があるんじゃないでしょうか。今までのNetBookにはない価値を持った新しいカテゴリーの商品。競合製品が少なく、自分から値下げする必要のない商品。それがどんなものなのか、まさにAppleのみぞ知る領域。
…ここまで書いて予想大外ししたら笑ってください。ちなみに今日の話はかなーり「ブルーオーシャン」なお話でした。詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。