仮想世界を現実にする「AR」とは?〜電脳コイルのススメ。
2008.02.04 Text例えばテレビでゴルフの中継を観ているときに、グリーンの上に重ねてヤード数がCG合成されて表示されているのを見た事はありませんか?ちゃんと地面に沿って表示されているのでここからあと何ヤードあるのかが一目で分かります。これが実際のゴルフプレイ中も見れたら便利なのに、と思うお父さんも多いはず。でももしかしたら近い将来本当に実現するかもしれません。

アニメ「電脳コイル」は何のことはない普通の小学生たちの物語。よくあるアニメと違って魔法もないし、怪物やお化けも出ない、ついでに "萌え" もないアニメ。ただちょっと普通と違うのはその世界には電脳世界というものが存在すること。そして電脳メガネをかけると、現実世界の上に電脳世界の情報が上書きされて見えるようになる。
例えば、主人公の飼っているペット。姿形は普通の犬。主人公から見れば、普通に地面の上を歩き回り、触れて抱きかかえる事すらできる。ただ、ひとたび主人公が電脳メガネを外せば、ペットは姿を消してしまう。なぜならその犬は電脳ペットだから。町の中にUFOやら大きなロボットやらお化けみたいなやつがうろうろしているけど、みーんな幻。あくまでデータ上だけの存在が、あたかも存在するかのように見える。それが不思議な電脳コイルの世界。
こんな風に現実世界に仮想世界を上書きする、AR(Augmented Reality)という考え方がある。日本語で言うと「拡張現実」。前述のゴルフ場の上にヤード数が表示されるのも一種の拡張現実。電脳コイルの世界は高度に発達したARのお話と言える。
ま、そんなのアニメの中だけのお話でしょう、と思うかもしれませんが最近このARの技術が注目を集め始めています。ARを理解する一番わかりやすい例だとこんな動画。
3Dで描かれた女の子が現実世界に降臨。まるでそこに居るかのように見える、というわけ。映像の後半では板の縁に女の子が座っているシーンも。技術的にはカメラが板の模様を読み取り、その変形具合でその板がどういう角度でカメラに写っているかを分析、正しく見えるように映像の上に女の子を上書きする、というわけ。こうやってアニメの女の子とデートができる日もそう遠くないはず(その是非は別として)。確かにこれがすごいのはわかったけど、これじゃあマークをいっぱい書かなきゃ行けない事になっちゃうんじゃない?というあなたにはこの動画。
電車から見た風景の上に3Dキャラクターが出現したり、日本庭園でダースベイダーが敵と戦ったり、普通の池がスライムみたいに波打ったり…ちゃんとコンピューターがカメラ映像を3次元空間で認識しその上で映像を加工している。ここまでくれば電脳コイルの世界もあと一歩か!?
今大きく発展を遂げているのはこういった「情報画像」の分野です。一番身近なのはデジカメの顔検出。画像から顔の位置・形を判別してピントや明るさを合わせる機能がカメラ界のブーム。さらには被写体が笑顔になると自動でシャッターが切れるデジカメまで登場しています(笑顔の練習が必要かもしれませんが)。他にも2人の顔が入れ替わったり、笑い男になっちゃったりと。
情報技術も一巡してきた感もある昨今ですが、今度は受け渡せるようになった情報をどう活かすか。人間にいかに伝えるか。その解決法の一つとしてARが活躍するかもしれません。とりあえず私はこれから電脳コイルをiPod touchで鑑賞する日々スタート。つかARが発展したらiPod touchも必要なくなるのかも…。