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iMovieの変化と、ぼくたちを取り巻くビデオ世界の変化と。

2007.08.19 Gadget

iLife '08 - iMovie

iLifeが「08」にアップデート。今日は特にiMovieの話。

iMovieスクリーンショット

今回のiLifeのアップデートでもっとも劇的な変化を遂げたiMovie。劇的と一言で言うにはあまりにも代わりすぎたインターフェース。一直線のリニアなタイムラインは姿を消し、素材のプレビューをメインに置くようなウィンドウ構成。確かに今までのiMovieだって十分に「世界で一番簡単な映像編集ソフト」だった。完成されたインターフェースを捨てて新たな道を模索したのは何故か。それを紐解くためにまずぼくたちを取り巻くビデオの世界の変化から考える。

[ iMovieの誕生 - DVカメラの時代 ]
iMovieが生まれたのは1999年、初代iBookの登場と同時期。そのころのビデオカメラと言えばDVテープに録画するDVカムが主流だった。DVカムをパソコンに繋いでビデオ編集するというソリューションがほとんどなかった当時、iMovieは使いやすさの点で画期的だった。タイムラインにDVカメラから取り込んだシーンといくつかのエフェクトを放り込んで映像を編集する手法。DV編集のすべてを網羅していたiMovieはこの時点で既に完成されていたと言っても過言ではなかった。さて、編集した映像はどうするか。誰かに見せなければ何の意味もない。この頃はとりあえずDVテープに書き出し保管、必要応じてDVカメラを通してテレビで再生するのが主流だった。その後AppleはiDVDというソフトをリリースし、DVDに書き出すことによって友人に映像を見せる手間が一気に省けた。それでも編集されたされた映像を消費するのはもっぱら家族か友人のみだった。

[ メディアの多様化 - 映像の高画質化 ]
21世紀になってもDVカメラはほとんど進化しなかった。当然最初から完成されていたiMovieの進化もほとんどなかった。その一方でハードディスクやDVDに録画するタイプのビデオカメラも登場。特にDVDに記録するタイプは人気が高い。なぜなら編集作業等いっさいせずともDVDプレイヤーで観れるからである。まずビデオカメラを使う人間は十中八九 "パパ" もしくは "ママ" であることを忘れてはならない。ビデオカメラの需要のほとんどは我が子の姿を後に残すためにある。「正直言ってパソコンに取り込んで編集なんて時間ないんですけど…」という忙しいパパの心の声をDVDカメラが見事に汲み取ったわけだ。さらにSONYが一番のりを果たしたハイビジョンビデオカメラの登場によって、少しでもきれいな画質で我が子の笑顔を残したいというパパ・ママの需要を引き出し大ヒットを生み出した。それにあわせてiMovieもHD対応にバージョンアップ。家庭用ビデオの高画質が一気に進む…ものと思われた。

[ ビデオをビデオで撮らない時代 - YouTubeの誕生 ]
ビデオカメラが多様化する一方で、実はデジカメやケータイが家庭用ビデオの座を奪い取っていた。デジカメとケータイの普及率を考えれば当然とも言えるが、最近ではデジカメもしくはケータイの動画機能を使ってビデオ撮影する人がほとんど。確かに連続撮影時間はビデオカメラに比べてまだまだ短いのも事実だが、「そんな長く撮ったって意味ないしー。そんな長く観てらんないしー。必要な分だけちょこっと観ればいいでしょ」という意識が浸透し始めてる。さらにこの頃になるとカメラで撮った映像をネットを通して友達に送ることも難しくなくなっていた。そしてここでビデオ世界に最大の転機が訪れる。YouTubeの登場。YouTubeによってそれまでの問題であった映像の保存・公開・共有が驚くほど簡単になった。もはやホームビデオの感動を共有する機会は、年に一度の帰郷の際におじいちゃんおばあちゃんを取り囲んでの上映会だけではなくなった。今までのビデオ編集に足りなかったのは、ハイビジョン映像でもなく、1フレーム単位の精巧な編集機能でもなく、多彩なトランジションでもなく、場面を彩る効果音でもない。感動を共有することができる人とそれを繋ぐインフラだった。

…って長え。要約するとiMovieは「DV時代の編集ソフト」、「ハイビジョン時代の編集ソフト」を経て「YouTube時代の編集ソフト」に変化した、ってわけか。新しいiMovieのポイントを簡単に(息切れ!?)説明すると、iPhotoからの映像インポート。これでデジカメで撮った映像もiMovieですぐ使うことができる。特に素材のプレビューのしやすさはすばらしい。必要なシーンをすぐに取り出してプロジェクトへ放り込める。今回からレンダリングという概念がなくなり全てリアルタイムでプレビューすることが可能になったのも大きい。これで無駄に待たされるストレスは皆無。そしてYouTubeへの直接投稿も可能。短い尺の映像を簡単に作れるようになった(けど長い尺もいける)iMovie。時代が変わればソフトもこれだけ変わる、そんな話。

さて、ソフトはいいんだけど、実際に映像は何で撮るのがいいのかな。SONYのこれはまだちょっと大きい。SONYがXacti的なものを作ってくれれば良いんだけど。もしくはサンヨーとAppleが協力してiXactiを作るか、ね。

関連リンク:
アップル - iLife
YouTube - Broadcast Yourself

ANTEPRIMA FW07ウェブサイトとその思いで。

2007.08.09 Web

ANTEPRIMA FW07

ANTEPRIMA FW07のサイトがラウンチしました。

ANTEPRIMA FW07 (英語)
ANTEPRIMA FW07 (日本語)

AD : Ogino Hideki (FICC inc.)
De : Wakita Takashi (FICC inc.)
Dv : Fukuoka Akira (FICC inc.)

ANTEPRIMA(アンテプリマ)の2007年秋冬コレクションサイト。今回もFlashコーディングは私が担当です。Wakita氏から受け取ったデザインを"立体化"しました。インパクトのあるプレゼンテーションと、コンテンツの一覧性を両立するレイアウト、そしてANTEPRIMAのコレクションそのものをお楽しみください。


…と。本当であればあまり解説をしない方が格好がつくのですが、後から見ておそらくこれが一つの節目になると思いますので、制作者の目線からいろいろと解説させていただきます。今回で私が関わるANTEPRIMAのコレクションサイトはこれで5回目になります。最初に携わったANTEPRIMA FW0506コレクションのサイトのラウンチから約2年が経ちました。5回目にして新しい挑戦、それがANTEPRIMA FW07ウェブサイトです。

最大の見せどころはやはり3Dパネルインターフェース。3Dのインパクトと操作性の両立、快適に操作できること。遡ればCOBYFICC Labsなどで培った技術を、「面白さ」と「操作しやすさ」を両立した形で結実させました。COBYウェブサイトが表現したのが子供らしい無邪気さ・自由奔放さであるならば、ANTEPRIMA FW07サイトが表現したものは大人の品位。空間の広がりを感じながらも迷わないで進める、今回のコレクションを余す所なく楽しんでいただけるインターフェースに仕上げました。実はこのサイトではマウスクリックの操作だけではなく、マウスホイールキーボード操作(アローキーやスペースキー)にも対応しています。ぜひマウスとは違った操作感を体験してみてください。

もう一つの大きなポイントはActionScript3での制作。おそらくこの規模のサイトでのAS3の利用はなかなかないであろう中で、0からスタートしてがんばってみました。もちろんただただ新しい技術に飛びついて導入したわけではありません。AS3の処理スピードが3Dパネルを手でめくるような滑らかな操作感を生みました。また、AS3の新しい機能を生かしたのが金の曲線です。

ANETPRIMA FW07オープニング

ANTEPRIMA FW07のインビテーションカードに印刷された「金の曲線」をウェブ上で、しかも動く形で再現。今回のサイトでは金の曲線がいくつか登場します。まずオープニングでマウスに追従するように滑らかな曲線が描かれます。マウスで操ることが可能なのでぜひ好きな模様を描き出してみてください。またダウンロードコンテンツのミュージックプレイヤーにも金の曲線が登場。

ANTEPRIMA FW07ミュージック

こちらはサウンドの再生あわせて空間を舞う金の曲線。あともう一つの金の曲線は…ぜひダウンロードコーナーの中から見つけ出してみてください。

音楽、と言えば今回のテーマ曲、岩村学氏による「Starlight Moonlight」。本当に素敵。ダウンロードコーナーからもMP3がダウンロードできますので、ぜひあなたのiPodへ。Starlight Moonlightはサイト内でもBGMとして再生されています。ぜひサイトを見る際にはヘッドフォン(またはイヤフォン)を装着してみてください。耳を澄ますと新しい発見がありますよ。


…と、ちょっと喋りすぎたかな(でも本当は全然喋り足りない)。ぜひ実際に触って、見て、確かめてみてください。そして各方面様々な方からのお力を借りてこのサイトを完成させられたことを、ありがたく、嬉しく思い…この場を持って皆さんへの感謝の気持ちを記します。ありがとうございました!!

[from ABM] Sony: HD Experiment

2007.08.02 Movie

Sony: HD Experiment


FICC AnotherBookmarkにニュース掲載された映像作品。当ブログでは久々に映像ネタ。

Blink - Sony: HD Experiment

SONYのハイビジョン対応製品のイメージCM。シュチュエーションも何もよくわからないですが、とりあえず、まっぷたつの車。中にはプードル、ネオン管、ポリッシャー、大量の泡、銀色のバルーン、スポンジ、巨大シャボン玉を作るマニピュレーター…そしてそれを見守るように配置されたHDハンディカムにサイバーショット、PS3にブラビア。勝手に暴走(てか独り走り)する世界を淡々と記録するSONY製品群(しかもHDクオリティ)。あまりの世界観のバカバカしさに胸を打たれます。いやまず曲がズルい。見事にCMの世界観を牽引…というか自己弁護してる(「すみません馬鹿で…」みたいな)。でもシャボン玉が割れるところとか肝心な所はほんとにきれいに撮れてるのよね。

最近のSONYのCMと言えばBRAVIAの坂をはねる大量のスーパーボールや、ペンキ爆弾などの「とりあえず実験してみてるところを撮影」という形式が流行ってる模様ですが、その流れを「わざとらしさの塊」としてセルフパロディした形にしたのがうまい。

制作はPleixSometimese-babyあたりが有名な作品。e-babyは2003年の文化庁メディア芸術祭アート部門で賞を受賞してますね。ちなみにBeauty Kit2001年のノンインタラクティブ部門受賞。映像・CGのクオリティの高さももちろんですが、作品全体に漂う皮肉感、ひねくれた感じが特徴。男の子な映像、と言いましょうか。理屈っぽさが好きです。

関連リンク:
Pleix
Pleix - Wikipedia, the free encyclopedia

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